日本ハム、新外国人「10億円超」の大補強 他球団の編成担当は「二軍の選手に1億円以上の年俸を支払うのは……」と冷ややか

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新庄監督は「充実しすぎてちょっと怖い」

 プロ野球もオープン戦が始まり、各球団の仕上がりに注目が集まっているが、順調なスタートを切ったと見られているのが日本ハムだ。2月25日に行われた広島とのオープン戦では9回裏に逆転する劇的なサヨナラ勝利をおさめ、対外試合を8戦無敗(7勝1分け)でキャンプを終えた。就任3年目で勝負のシーズンとなる新庄剛志監督もこれまでの結果に「充実しすぎてちょっと怖い」と話している。3月に入っても、その勢いは変わらず、オープン戦4試合で3勝1引き分けと好調だ(3月3日終了時点)。【西尾典文/野球ライター】

 開幕まで約1カ月を残していることを考えると、楽観視するのはまだまだ早いとはいえ、昨年に比べて、着実に戦力はアップしている。投手陣は、昨年9勝をあげた上沢直之(レイズとマイナー契約)がポスティングシステムで退団したものの、7勝をあげた加藤貴之の残留交渉に成功したほか、大争奪戦の末、FAで山崎福也を獲得した。

 新外国人をみると、先発として期待されるマーフィー(前ツインズ)と、リリーフ候補のザバラ(前タイガース)が新たに加入した。

 マーフィーは身長196cmの右腕。メジャーで登板した通算35試合は全てリリーフだったが、マイナーリーグでは通算92試合に先発しており、昨年は3Aでイニングを上回る奪三振を記録している。パワーカーブを武器に、先発候補の一角に名乗りをあげそうだ。

 一方、ザバラは、紅白戦で早くも160キロを超えるスピードをマークしており、ブルペンの一角を担うことが期待される。メジャーでの実績はないものの、マイナーリーグでは通算244試合に登板しているパワーピッチャーだ。昨年は3Aで65回2/3を投げて103奪三振という数字を残している。

 さらに、2021年以来3年ぶりに日本ハムへ復帰したバーヘイゲン(前カージナルス)もチームに加わった。昨年はメジャーで60試合に登板して、5勝、14ホールドを記録した。前回の在籍時は2年間で13勝14敗。日本の野球を熟知しており、心強い存在だ。

メジャー通算108本塁打を誇る大砲

 一方の野手では、レイエス(前ロイヤルズ)を獲得した。2019年と2021年にシーズン30本塁打以上を放ち、メジャー通算108本塁打を誇る大砲で、前田健太(タイガース)からも通算4本塁打を放っている。メジャー通算打率は.249と確実性は高くはないが、来日初の実戦となった2月15日のDeNAとの練習試合では3安打を放つなど対応力があるところを見せた。さらに、3月2日のイースタン教育リーグ、オイシックス戦で、変化球を逆方向に弾き返して、ライトスタンドに叩き込むソロを放っている。

 もう一人の新外国人野手は、スティーブンソン。メジャー通算で98安打と、レイエスの実績には及ばないが、マイナーリーグでは通算183盗塁をマークしており、スピードを大きな武器としている。昨年はツインズで2年ぶりにメジャー昇格を果たし、ポストシーズンに出場した。レギュラー争いに加わる可能性は十分にあるだろう。

 楽しみな新戦力は、それだけではない。ドラフト2位で入団した進藤勇也は、一軍キャンプに抜擢されると、抜群の守備力をアピールし、正捕手争いに加わる活躍を見せている。ここ数年の日本ハムはなかなか捕手が固定できなかった。進藤が不動のレギュラーに成長すれば、チームの未来は一気に明るくなるだろう。

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