インド、中国は互いに激しいサイバー攻撃を仕掛けている可能性…その先に起きる深刻な事態とは

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インド拠点のハッカー集団「ビッター」

 中国政府は2月26日、「同国産業部門におけるデータセキュリティーを強化し、2026年まで主要なリスクを効果的に抑制する」とのハッキング対策を発表した。

 中国は米国などから「サイバー攻撃により自国の知的財産を奪っている」としばしば非難されているが、中国自身も外国からのハッキングに悩まされているようだ。

 ハッキング大国とも呼ばれる中国のサイバーセキュリティーの脅威になっているのは、はたしてどこの国だろうか。

 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(2月16日付 )は、中国へのサイバー攻撃の中心は覇権競争を繰り広げている米国ではなく、多くは南アジアであると報じた。

 同紙は、インド拠点のハッカー集団「ビッター」による中国へのサイバー攻撃が2022年は7回、昨年は8回実施されたと伝えた。ビッターはインド政府の支援を受けて2013年末から活動を開始したとされ、その主な目的はパキスタンや中国の政府、軍事組織などが有する機密情報だと言いわれている。

ムンバイ大停電はサイバー攻撃が原因か

 インド発のサイバー攻撃が相次いでいるにもかかわらず、中国政府はこれまでのところ、公式の反応を示していない。

 その理由は明らかではないが、筆者は「中国もインドに対してサイバー攻撃を頻繁に仕掛けてきたからではないか」と考えている。

 2020年9月、インドの2000万都市ムンバイで大規模停電が発生した。鉄道は停止し、株式市場は閉鎖、新型コロナウイルスのパンデミック下で病院も大混乱に陥った。この停電の原因で最も有力な説は中国によるサイバー攻撃だ(2021年3月6日付東洋経済オンライン)。

 この大規模停電が起きる4ヵ月前、インドと中国の軍隊が人里離れたガルワン渓谷の国境紛争地域で突如衝突し、石やこん棒を使った戦闘で互いに死者が出る事態となった。国境紛争地域の領有権を声高に主張するとどうなるか、それをインドに思い知らせるために中国がタイミングを見計らって「恫喝のメッセージ(中国がその気になれば、インド全体を大停電に陥れることができる)」を送りつけたというわけだ。

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