侍J「井端監督」に選ばれた4人の大学生 WBC、五輪を見据えたチームビジョンとは
井端監督のビジョン
「オーストラリア戦で井端監督は、4人の大学生をプロ選手のなかに放り込んで様子を見るのではなく、各々にアピールしてほしいポイントを伝えてあります」(前出・関係者)
門脇に代わってショートのスタメン出場も予想される明大・宗山には「守備」、青学大・西川には「長打」、関大・金丸には「制球力」、愛工大・中村には「ストレート勝負」を指示したという。
井端監督は侍ジャパンを託されるまで、U-12代表チームを指揮していた。小学生に指導、説明する難しさ、特に伝える言葉のチョイスに悩んだ時期もあったそうだが、それが今日の糧になっているのかもしれない。世界大会に出場する以上は、絶対に勝ちたい。しかし、実際にプレーをする少年球児たちには、まだまだこれから先がある。彼らの未来を考えた場合、目先の勝利よりも優先させなければならないことも出てくるだろう。
しかしWBCや五輪は、優勝を半ば“義務づけられた”大会でもある。勝つことは当たり前とはいえ、そのための前段階が必要になる。プロアマ問わず、若手中心で、短期間で「育てる」――井端監督の胸中には明確なビジョンがある。
「09年の第2回WBCで、中日選手は揃って出場を辞退しました。その理由は前年の北京五輪で事前の説明と異なる選手起用が続いたからです。続投を余儀なくされた救援投手もいれば、本来とは異なるポジションを守らされた選手もいます。この経験が反面教師として、井端監督のチーム編成に影響しているようです」(前出・同)