コンビニコーヒー「R」カップに「L」の量を注いで懲戒免職の中学校長 大手3社に不正防止対策をきいた
群馬県では重傷者が発生
セルフコーヒー万引きがきっかけで、人生を棒に振ったり、他人に重症を負わせるといった深刻なケースも報道されている。
2021年1月、熊本県警の熊本中央署は、60歳の熊本市の非常勤職員の男を逮捕した。男はレギュラーサイズのコーヒー100円を注文し、そのカップにラージサイズのカフェラテ200円を注いでいた。
やはり店員が被害を把握しており、熊本中央署に相談していたため逮捕となった。男は容疑を認め、「お金がもったいないと思った。カフェラテが好きで20回ほどやった」との供述が西日本新聞に掲載されている(註1)。
そして翌2月、熊本市は男を免職にしたと発表。調査で容疑を認め、常習性も確認されたことから、悪質と判断したそうだ(註2)。
22年10月には、セルフコーヒー万引きが原因で、容疑者がコンビニのオーナーを車から振り落とすという事件が発生した。
「群馬県大田市にあるコンビニで、60歳の契約社員の男がコーヒーのカップにカフェラテを注ぎました。男が駐車していた軽乗用車に乗ったところ、オーナーが追いかけてきました。男は軽乗用車で逃走しようとしたので、オーナーはワイパーにしがみついたのです。男は振り落とそうと数百メートルを蛇行運転。オーナーは路上に振り落とされ、外傷性くも膜下出血などの重傷を負いました。群馬県警は強盗殺人未遂の疑いで男を逮捕しました」(同・記者)
セブン-イレブンの対応策
よくコンビニでコーヒーを購入するという会社員の男性は「ニュースを見るたび、他人事のような気がしません」と言う。
「私はサイズを間違えたことがあります。コーヒーのSサイズを購入したのですが、マシンではMサイズのボタンを押してしまったのです。ぎりぎりでしたが、あふれ出すことはありませんでした。店員さんに事情を説明し、差額を払うと申し出ました。ところが外国人の店員さんは『いいよ、いいよ』と笑顔を浮かべるだけで、とうとう最後までお金を受け取ってくれませんでした」
コンビニ大手のセブン-イレブン、ローソン、そしてファミリーマートの3社に対応策を質問すると、いずれも文書で回答があった。全文を紹介する。
◆セブン-イレブン
コーヒーの販売に関わる対応策ということにつきましては、セブン-イレブンでは全国ほとんどの店舗で、サイズやメニューを自動認識するマシンの設置をしており、押し間違いを防ぐことにもつながっています。具体的な設備に関しては公開できませんが、お客様がどのボタンを押したかは、店員にはわかるようになっています。お客様のサイズボタンの押し間違いに関しては、お客様のほうからお申し出をいただくこともありますし、お店側で「違うのでは?」と気づいた場合には、お声がけさせていただいております。
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