日大アメフト部“大麻汚染”問題 「10人立件」で捜査終結間近でも新たな火種…「部の再建は1年延期」のウラにあった特殊な“事情”

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「1年の辛抱」

 早期に「新生アメフト部」を立ち上げると「批判の再燃を招きかねず、時期尚早と判断した」(同)という。一方で“暫定措置”として誕生するサークルの実態が「すでに紛糾のタネになっている」と話すのはアメフト部OBだ。

「サークルは新1年生と2年生が主体になる一方で、3年生と4年生の扱いがハッキリしないため、上級生に不安が広がっています。他にも“専用グラウンドは使えるのか?”や“趣味的な同好会活動になり下がるのか?”など困惑の声も上がっていて、部員たちの士気は“ダダ下がり”だと聞きます」

 ちなみにサークル活動の主体が1・2年生になるのは「これまでに立件された10名は全員3年生と4年生。活動を継続する部員には“薬物汚染と無関係である”ことが絶対条件になっているため」(前出・記者)とされる。

 新1・2年生には「1年だけの辛抱だ」として理解を求める姿勢というが、反発を強めるのが3・4年生だ。なかでも「スポーツ推薦」で入った“アメフト特待生”の保護者らが怒り心頭なのだという。

「人生設計が狂った」

「スポーツ推薦で入部した部員は学費免除などの特典はありませんが、高校時代にスカウトの目にとまる逸材で、卒業後は社会人実業団でアメフトを続ける考えだった子もいる。そうでなくても、アメフト部で実績を残して卒業後の就職へと繋げる気持ちは皆が持っていた。そのハシゴを外されるとあって、部員以上に親御さんが“息子の人生設計を狂わされた”と激怒している」(同)

 保護者の不満の核心にあるのは、今回の薬物事件が「人災」との思いがあるからだという。最初にアメフト部に“大麻疑惑”が持ち上がったのは22年10月。保護者の一人から「寮内での大麻使用」を疑う情報が寄せられたものの、大学側は部員へのヒアリング調査などを実施しただけで、問題に真正面から向き合うことはなかったとされる。

「大学の不手際で騒動がここまで大きくなったとの思いがあり、さらにアメフトをする機会まで奪われれば、“何のために日大に入ったのか?”と不満が最高潮に達しつつある。大麻騒動の時以上に“紛糾する”と話す関係者もいて、実際、『大学を訴える』と真剣な顔で話す保護者も現れ始めています」(同)

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