日大アメフト部“大麻汚染”問題 「10人立件」で捜査終結間近でも新たな火種…「部の再建は1年延期」のウラにあった特殊な“事情”
薬物問題に揺れた日本大学アメリカンフットボール部の「再建案」について、3月8日に開かれる大学理事会でいよいよ最終決定される見込みだ。大学側は一度は廃部としたアメフト部を「4月からサークルのような形態で復活」させる方針だが、早くも部員と保護者たちは反発を強めているという。そのワケとは――。
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警視庁は2月26日、日大アメフト部員とOBら6人を麻薬特例法違反容疑で書類送検。これで同部員の立件は計10人にのぼるが、実はこれで「終わり」ではないという。
「6人の容疑は昨年2月から6月にかけて“大麻と知っていながら”違法薬物を所持していたというもの。内訳は3年生部員4人と所持時点は4年生だった卒業生2人です。警視庁の薬物銃器対策課は今後、さらに別の3年生部員も同じ容疑で書類送検したあと、一連の日大アメフト部をめぐる“薬物汚染”捜査を終結させる方針です」(全国紙社会部記者)
昨年7月にアメフト部寮から乾燥大麻などが見つかって以降、すでに同容疑で部員3人が逮捕されたほか、1人が書類送検(その後、不起訴処分)。最初に逮捕された3年生部員(当時)には執行猶予付きの有罪判決が確定しているが、同部員は公判のなかで「部内で10人程度が大麻を使っていた」と話し、捜査によってその証言が裏付けられた格好だ。
「昨年8月下旬に開かれた学内会議でも『計11人の部員に大麻使用の疑い』があると報告されていて、警視庁の立件者数とも合致する。ただし、今回の捜査はアメフト部内に蔓延した“大麻汚染”の全容解明を目的としたものでなく、“疑惑視”された部員たちの裏付け捜査をコツコツと進めていった結果という側面が強い」(同)
「サークル」として始動
これを受け、日大は関東学生アメリカンフットボール連盟への再加盟申請を見送り、アメフト部(今年1月廃部決定)の24年度の公式戦「不参加」が決まった。
日大関係者によると、6人の書類送検は大学側にとっても「寝耳に水だった」という。
「今回の報道が出るまでは、4月からアメフト部をこれまでと同じ競技スポーツ部として復活させる案が有力視されていました。しかし部員10人が立件される事態となって“部内に大麻が蔓延していた”との指摘に反論できなくなってしまった。そのため急遽、アメフト部の処遇について再考を迫られた」
その内容というのが、アメフト部を新年度から「サークル」に似た形態で始動させ、公式戦出場が可能となる競技スポーツ部としての復活は25年度以降に持ち越すというものだ。
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