7カ月以上放置! 日本政府はなぜ中国の「不法ブイ」を撤去しないのか 「潜水艦運用に利用される」

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中国に残された課題は台湾と尖閣諸島

 一方で、トウは香港の「一国二制度」を成功させれば、同じ民主主義体制を取る台湾は将来的に中国になびくと計算していただろう。実際、習近平も国家主席に就任した翌年の2014年には、台湾における「一国二制度」の可能性を示唆していた。ところがその後、中長期的に米国と対決せざるを得なくなったことで、雨傘運動をはじめ、北京の意向を無視したり、蔑(ないがし)ろにしたりする香港を許容しなくなった。周知の通り、習は国家安全維持法などを駆使して香港を完全に抑え込み、現在に至る。

 つまり、中国に残された課題は台湾と尖閣諸島である。中国にとって台湾と尖閣諸島は香港と同列の存在で、将来的に米国と対決していくことを考えれば、早期に解決しておくべき重要課題とみなければならない。

中国に経済の“動脈”を抑えられ…

 まず、中国が尖閣諸島を自国領と主張し始めたのは1971年で、1969年に国連機関による調査の結果、周辺海域に石油埋蔵の可能性が指摘された2年後のことだ。海洋国家と化した中国にとり、尖閣諸島の価値は単に石油の有無にとどまらず、日米を念頭に置いた戦略面でも増している。

 中国が思い描く最終的な戦略目標とは、可能な限り米国の影響力をアジアから排除することにあろう。いわゆる「太平洋二分論」である。太平洋を東西に二分し、西側を中国の影響圏に、東側を米国の影響圏にする構想で「G2論」とも呼ばれる。かつて、オバマ政権の時代には米国内に似たような議論があった。

 次に、台湾問題である。つとに「台湾有事は日本有事」といわれる。そのイメージは、台湾が戦禍に見舞われれば、地理的に近い日本も戦闘に巻き込まれるというものだ。が、実態はそれ以上に深刻だ。仮に台湾が中国に組み込まれれば、わが国の重要なシーレーンである台湾海峡の両岸が中国の領土となるからだ。

 改めて言うまでもなく、中国は問答無用で経済的な脅迫や威圧を加える覇権主義国家である。台湾海峡が支配下に入れば、日本はそんな中国に経済の“動脈”を抑えられることになる。結果、わが国が中国の影響下に入らざるを得ない状況に陥る事態もあり得るのだ。だからこそ、われわれは「台湾問題イコール日本の問題」と捉えなければならない。「対岸の火事」と傍観することは許されないのだ。

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