「お笑いBIG3」でテレビに出続けるのは明石家さんまのみ タモリ、たけしとの違いは“距離感”
今も6本のレギュラー
「お笑いBIG3」と呼ばれ、テレビ界のトップに君臨していたタモリ、たけし、さんま。そのうち、タモリはNHKの『ブラタモリ』のレギュラー放送が3月いっぱいで終了することが発表され、残るレギュラーは「ミュージックステーション」(テレビ朝日)のみとなった。一方、たけしは「奇跡体験!アンビリバボー」(フジテレビ)を、3月6日の放送をもって卒業することが発表された。これでレギュラーは「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)、「世界まる見え!テレビ特捜部」(日本テレビ)の2本となった。
「タモリさんはロケ番組をこなすのが体力的にキツくなったための“勇退”でしょう。『Mステ』と同じテレ朝で不定期に特番『タモリステーション』が放送されていますが、それ以上、番組を増やすつもりはなさそうです。一方、たけしさんは以前から、高額なギャラについて各局が見直していることもあり、そのあおりを受けての卒業だと言われています。特に『アンビリーバボー』はスタジオにずっといるわけではなく、VTR終わりにコメントするだけ。テレビ局にすれば1本300万円~400万円と言われる高額ギャラはまったく見合いません。映画も、昨年公開された監督作品『首』は不評。本人は本気で直木賞を狙っていると言われており、小説を書く時間を増やすのではないでしょうか」
と、民放の制作幹部は説明するが、
「お二人に共通しているのは、とにかくオーラがすごくて、なかなか話しかけづらい雰囲気を漂わせていること。プロデューサーや幹部クラスでないと話がしにくいというか……なので、新規の番組企画を立てる際、若いスタッフからタモリさんや、たけしさんという現場の声は聞こえてきません」(同)
そんな中、精力的に仕事をこなしているのが、2人よりも10歳ほど若いさんま。現在のレギュラー番組は以下の通りだ。
「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)
「週刊さんまとマツコ」(TBS)
「痛快!明石家電視台」(MBS)
「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)
「さんまのお笑い向上委員会」(同)
「MBSヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)
「さんまとマツコ」はタレントのマツコ・デラックス(51)との冠番組で、2人のトークが中心。ほかの番組はさんまがMCでトークを回すスタイルをとっている。
「『踊る』は平均世帯視聴率9~10%で民放キー局では同時間帯でのトップを堅持しています。この番組の強みは、最初でも後半でも、どこからでも見られる構成でしょう。『さんまとマツコ』は、忖度やしがらみなく、二人が知りたいテーマを掘り下げるスタイルがウケています。最近も福岡と熊本の芸能界を取り上げるなどマニアックなテーマを扱い、ネット上で話題を呼んでいます。『ホンマでっか』は同時間帯にはドラマ『相棒』(テレビ朝日)、『上田と女が吠える夜』(日本テレビ)など強力な裏番組がある中、6%台で善戦しています。『お笑い向上委員会』は深夜枠ながら、安定して3~4%台をキープ。どの番組も各局にとって必要不可欠なコンテンツです」(放送担当記者)
そして、どの番組でも目立つのが、さんまの人柄やほかの芸人との“距離感”だという。
「タモリさんとたけしさんは大御所過ぎるので、若い世代のタレントたちは萎縮してしまい、ご本人の前で持ち味を発揮したり“爪痕”を残したりすることができません。それに比べて、さんまさんは初対面のタレントでもウェルカムで、いいところを引き出そうとしてくれます。『向上委員会』では、話題のキャラクターがいると自らコスプレに取り組み若手芸人にドヤ顔を決めています。タモリさんはいつもスーツ姿、たけしさんは金持ちのおじさんファッション。周囲にいるのはテレビ局や代理店のお偉いさんたちばかり。自然と若手芸人も近寄りがたい感じになってしまいました」(番組制作会社スタッフ)
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