「突然、事務所が閉鎖され着る服がない」 韓国でK-POP練習生になった日本人男性を襲った悲劇

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 2017年に放送された韓国のオーディション番組「PRODUCE 101 Season2」に唯一の日本人として出演し、現在はKENTA・SANGGYUNとして、日韓両国で活動している高田健太さん(29)。日本での地下アイドル生活を経て、「K-POPアイドルになる」という夢を叶えるべく、2015年に単身韓国に渡った高田さんは、様々な事務所のオーディションに挑戦し続け、やっとの思いで「練習生」になることができた。

※本稿は、『日本人が韓国に渡ってK-POPアイドルになった話。』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。(前後編の後編)

前編【「K-POPアイドルになりたい」日本人男性が韓国で受けた苦難 “オーディションで無視”、“氷点下でのダンス練習”】のつづき

自分たちでメニューを組んで練習

 みなさんは「練習生」と聞くとどんな生活を想像されるだろうか。

 たくさんの練習生と共に、毎日びっしり詰まったレッスンに明け暮れ、毎月行われる月末評価を受けてクビになる可能性もある、そんなサバイバルな環境を想像される方が多いのではないかと思う。リアリティ番組などを見ても、汗や涙を流し苦しみながら一生懸命に努力する練習生の姿を見ることができる。でもそれは大手事務所もしくは資本金がある程度確保できている会社でのみ見ることができる光景なのだ。

 僕が入った会社を含む小規模な会社は、資本金の確保がままならずちゃんとしたレッスンなどがないところも多い。韓国のエンターテインメント業界も日本と同様で、そういった会社が大部分を占めているのが現状だ。特に僕の会社はボーイズグループを作る予定もなかったので、毎日自分たちでメニューを組んで練習していた。

 練習生仲間のミンスヒョンは今の会社に入る前、日本でも有名な歌手が所属する会社でバンドチームの練習生をしていたので歌が得意だった。僕は歌なんて友達とカラオケで楽しむ程度の実力しかなかったし、日本で活動していた時もパフォーマーポジションだったので、ほぼ歌う機会はなかった。だから僕はミンスヒョンから歌と韓国語を教えてもらい、代わりに僕がミンスヒョンにダンスを教えた。

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