バブルの再来? 株価4万円目前だが専門家が「投資は控えるべき」と語る理由

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ババを引きたくないなら

 しかし一方で、前出・深野氏は、

「今は市場が過熱気味ですから、無理に投資する必要はありません。また、貯金が100万円くらいしかないならば、投資は控えるべきでしょう。少なくとも数百万円はないとダメです」

 加えて、こう語る。

「現在、50代後半で住宅ローンが70歳を超えて残るような人も、新NISAに手を出さない方がいい。会社員は60歳、65歳あたりで収入が減ってしまいますが、住宅ローンの返済は継続しなければならず、返済は待ってくれないからです」

 投資は余力で行うべしという教えである。

 最後に先の森永氏の話に改めて耳を傾けてみよう。

「新NISAは、ババを引きたくないなら今はやめておいた方がいいです。新NISAは日本国民全体にバブルのババを引かせようとしていることに他なりません。おススメの銘柄などはありません。今は株を買うより銀行預金や郵便貯金にすべきです。どうしても始めたいのであれば、今は3万8000円くらいの日経平均が1万円を切って4ケタになったら、毎月一定額の積み立てを始めるといいかもしれません」

 この市況で株に手を出すのは、高値づかみだと警鐘を鳴らすのである。さらに、

「既に投資をしている人たちは、今すぐ全部処分した方がいいです。ちなみに私は2週間くらい前に、四十数年間、ちょっとずつやっていた外貨建ての投資信託などを全部処分しました。今の私の資産は、ほとんど預金と証券会社の預り金になっています。一部、株主優待のために持っている株が残っていますが、それもどうしようかと考えているところです」

 投資は自己責任。新NISAになり使い勝手がよくなったといっても、決して元本が保証されるわけではないことは肝に銘じておきたい。

週刊新潮 2024年2月29日号掲載

特集「株価4万円台目前『通過点』か『高値掴み』か 投資派VS.懐疑派が誌上大激論 『新NISA』の罠にハマらない活用法」より

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