バブルの再来? 株価4万円目前だが専門家が「投資は控えるべき」と語る理由

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「4万円を超すのは今年の後半と予想」

 ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏も、

「長い目で見たら日経平均の4万円は通過点に過ぎないでしょう」

 こう述べながら、

「ただ短期的に見ると、3月は年度末で機関投資家たちが決算のために売りを出します。また多くの企業は4月下旬から新年度の業績予想を出しますが、日本企業は予想を結構渋めに出す傾向がある。すると、やっぱり株価は上がりづらい。そういう事情もあって、これからしばらくは慎重になる局面に入るはずなので、4万円を超すのは今年の後半だと私は予想しています」

 やや慎重ではあるものの、やはり年内には4万円を突破するとの見方を示すのである。もっとも、賢明な読者諸兄ならば、ここである不安が頭を擡(もた)げよう。それは、この株式市場の活況が「バブル」なのではないか、ということだ。

80年代のバブルとは違う

 この点、前述の永濱氏は、

「最近の最高値更新は、1980年代のバブルとはまったく違います。80年代は中身がスカスカの3万8000円台でしたが、今は中身が詰まっています」

 どういうことか?

「株価は企業の収益に対する期待をもとに決まる。株価が収益期待に対して割高か、あるいは割安かを見るための代表的な指標に株価収益率(PER=Price Earnings Ratio)というものがあります」

 一般的な上場企業の場合、適正なPERは約15倍といわれているが、

「80年代後半のバブル期のPERは50倍以上。期待ばかりが膨らんでいて、企業の業績の裏付けがない、実力を伴わない株高になっていたのです。それに対して現在の日本株は約16倍ですから、実力に見合う水準の株価と言っていいでしょう。バブルがはじけた時のように、株価が暴落することは考えにくいのです」

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