爆死扱いの永野芽郁「月9」にスポンサーは不満なし? 覆い隠せなくなった「世帯視聴率」の矛盾
高齢者を意識した番組の代表格は
一方で高齢者を意識した番組もある。その代表格は朝日放送が制作し、テレビ朝日系が放送している「ポツンと一軒家」(日曜午後7時58分)である。人里離れた土地でポツンと暮らす住民の人生哲学を伝えるのだから、高齢者のほうが共感しやすい。2月25日放送の2時間スペシャルの世帯視聴率は13.4%もあった。
しかし、コア視聴率を見ると、2.1%。13歳から49歳は100人に2人強しか観ていなかった。高世帯視聴率番組として知られながら、「君が心をくれたから」とほぼ同じ。都会志向が強い49歳以下はあまり食指が動かないのだろう。
この番組もスポンサーは満足であるはず。CMが番組内容と合っている。一例はピアノの買い取りのタケモトピアノ。子育てを終えた高齢者世帯には使わなくなったピアノが眠っている可能性が大きい。
やはり高齢者に人気なのが、毎日放送制作でTBS系の「プレバト!!」(木曜午後7時)。2月22日放送の世帯視聴率は9.6%と高かったものの、一方でコアは1.5%と低かった。「ポツンと一軒家」の視聴傾向と似ている。
この番組のスポンサーにもやはりピアノの買い取りを手掛ける伸和ピアノが入っている。スポンサーは個人視聴率のデータをよく見ている。
二階堂ふみと櫻井翔のドラマは?
6%前後の世帯視聴率なので、やはり一部で爆死扱いを受けているのが、二階堂ふみ(29)主演の「Eye Love You(アイラブユー)」(火曜午後10時)である。恋愛ドラマで、現実離れしたテレパスが登場するのだから、こちらも簡単に世帯視聴率が獲れるとは思えない。
2月20日放送の世帯視聴率も5.9%と低かった。だが、コア視聴率は2.6%に達した。世帯視聴率7.2%だった同21日放送の日本テレビ「となりのナースエイド」(水曜午後10時)のコアは2.4%だから、超えているのだ。
「Eye Love You」のスポンサーはみずほ銀行、Daiwa House、小林製薬、明治、NISSAN、AJINOMOTO 、大正製薬、RIZAP。やはり主に49歳以下が観たら、満足だろう。
櫻井翔(42)が主演する日本テレビ「新空港占拠」(土曜午後10時)も個人視聴率時代らしいドラマ。2月24日放送の世帯視聴率は4.8%とかなり低い。だが、コアは2.9%でAクラス。世帯視聴率が10.9%の同25日放送のTBS「日曜劇場 さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(日曜午後9時)のコアは3.1%だったから、肉薄している。
「新空港占拠」は1年前の前作「大病院占拠」が爆死扱いされた。世帯視聴率が並みで、中身も高齢者の視聴者を中心に不評を買ったからだ。個人視聴率によって若者の視聴率の高さが分からなかったら続編はつくられなかっただろう。
若者にとってはテンポの良いストーリー、迫力ある映像、遊び心のある演出が良かった。特にT層(13~19歳の個人視聴率)は常に4~5%あり、突出している。13歳から19歳までは100人のうち4、5人が観ていることになる。
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