強風、寒暖差、筋の悪い権力者…パワハラ処分「安楽智大」が再起をかけるメキシカンリーグの“過酷な環境”を経験者が証言

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あの選手もメキシコで再生

 安楽を受け入れたレッドデビルズは、福岡ソフトバンクホークスのロベルト・オスナ(29)が22年途中に千葉ロッテと契約するまで所属していた球団でもある。オスナはアストロズ時代の19年にセーブ王のタイトルを獲得したが、その後、女性への暴力問題が発覚。MLB各球団との再契約が難しくなり、母国・メキシコのレッドデビルズでチャンスを待っていたところ、ロッテ入りが決まった。

 22年当時、「ロッテ側から調査を始めたのが来日のきっかけ」とも言われていた。メキシカンリーグにルートを持つNPB関係者は少なくない。今回の安楽も、同じようなルートから話がまとまったのではないかと思われる。

「巨人のメンデスも、来日前はメキシカンリーグのモンテレイに在籍していました。元DeNAの乙坂智(30=現・米独立)も21年に戦力外を通達された後、やはり、レッドデビルズと契約しました。パワーでは中南米出身の選手には敵いませんが、基本に忠実なプレー、捕球や走塁のテクニックの高さは認められており、『さすが、日本人選手』『WBSC(世界野球ソフトボール連盟)ランキング1位の国だけのことはある』と、高評価を得ています」(米国人ライター)

 メキシカンリーグは20チームの2リーグ制。4月からの半年間で110試合が行われる。メキシコにおける野球の競技者人口については、

「あるMLBスカウトによれば、サッカー人口が10としたら、野球はその半分以下だと言っていました」(同)

 とはいえ、WBCやプレミア12大会をみれば分かるように、メキシコ代表は上位進出の常連チームだ。また、WBSCが昨年末に発表したランキング(数値上で各国ナショナルチームの強さを表したもの)によれば、「1位・日本、2位・メキシコ、3位・米国、4位・韓国」となっている。レベルの高いプロリーグであり、日本人選手のレベルの高さも認めてくれている。まして、オスナのように過去のしくじりを受け入れてくれたケースを考えると、安楽にも再起のチャンスは十分にありそうだ。

 だが、同時に厳しい競争も覚悟しなければならないが、日本とはあまりにも異なる“野球環境”に適合できるかどうかがカギとなりそうだ。

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