「だから俺たちは結婚できない!」中国の婚姻数が10年で半減の裏に「結納金」爆騰問題…“殺人事件”にまで発展する裏事情とは

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続発する凶悪事件

 一方で、相次ぐ“彩礼に端を発した”凶悪事件の抑止力となるかについては、実効性を疑問視する声も上がっているという。

「昨年、婚約者の浮気を知り激怒した貴州省の男が、彼女の実家を訪れ“彩礼12万8000元(約267万円)の返還”を求めるもトラブルになり、義父を殺害する事件が起きました。同種の事件は他にも起こっており、なかでも中国社会を震撼とさせたのが、23年5月、19歳の中国人女性が勤務先のレストランで衆人環視のなかメッタ刺しにされて死亡した事件です」(同)

 逮捕された犯人は、被害者の婚約者(19歳)だったという。2人は結婚適齢期に達していなかったため婚姻証明書を持っていなかったが、簡素な結婚式は挙げ、同居も始めていたという。しかし、一緒に暮らし始めてすぐに口論が絶えなくなり、婚約者は一旦、被害者を「実家に送り返す」ことに――。

鬱積する「不満」の背景

 ところが婚約者はしばらくして復縁を求め、「ヨリを戻したい。イヤなら贈った5万5000元(約115万円)を返せ」と迫るも、被害者は拒否。そして前述の凶行に及んだわけだが、実はこの男、犯行に際して「(被害者の)顔を切り刻み、それを食べさせる」つもりだったことが捜査の過程で明らかになっている。

「最近、この手のニュースが増え、中国の若者の結婚願望を萎えさせていることは確かと思います。ただ中国では結婚となれば、彩礼のほかに新居の頭金も準備するのが一般的で、結婚への経済的ハードルが年々上がっているのも事実。問題はソレを乗り越えゴールインしたとしても、思い描いたバラ色の生活が待っていなかったことに不満を募らせる若者が増えている点です。つまり彩礼の“返せ”“返さない”は暴発のキッカケに過ぎないとも囁かれています」(同)

 一人っ子政策の影響で「甘やかされた子供が多い」という点も、続発する事件の背景に指摘されているという。

デイリー新潮編集部

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