【追悼】暴漢に牛刀で斬りつけられて50針以上縫ったことも 九代目春風亭小柳枝さんが残した“温かい”落語
九代目春風亭小柳枝(こりゅうし)さんは落語ファンにはおなじみの顔だ。芸にはお客を納得させる力が宿っていた。
「先人師匠方の創られた良き落語の継承と伝達」が自分の目標といつも語っていた小柳枝さんの芸は、正統派の古典落語である。
作家で落語に造詣の深い吉川潮さんは言う。
「時代を超えて通じる芸が古典です。小柳枝さんは古典を演じて、お客を江戸の世界にすんなり連れて行くことができました。物語にすっかり入り込み、おかげで登場人物は生き生きとして、情景も浮かぶようでした。...