「顔の脂肪吸引なんて安易に執刀できない」専門家が苦言 ついに死亡事故の“芸能人御用達”美容クリニック
「顔の脂肪吸引なんて安易には…」
今回の事故について美容医療後遺症の専門家、日本医科大学名誉教授で「スクエアクリニック」の百束(ひゃくそく)比古院長によれば、
「脂肪吸引手術による内出血で喉頭周囲が腫れ、気管が圧迫された結果、窒息死に至った可能性が考えられます。私だったら顔の脂肪吸引なんて安易には執刀できません。首と顎のまわりには軟部組織が厚く、重要な血管や神経などが集中しているからです」
他の問題点としては、
「手術を受けた日に入院させるか近隣の施設に宿泊させるなど、容体の変化に対応できる措置を講じておくべきでした。リスク管理がずさんだったと思います」(同)
死亡事故は東京と兵庫でも
近年、目につく美容クリニックだが、HAABにかぎらず深刻な事故が絶えないという。美容医療に詳しい「大阪みなと中央病院」の細川亙院長はこう語る。
「美容医療における死亡事故は表に出ない例が多いのですが、実際はそこそこの頻度で起きています。たとえば脂肪吸引手術による死亡事故にしても、今回の大阪での一件と近い時期、東京と兵庫でも立て続けに起きていました」
なぜかといえば、
「自由診療の美容医療では、安全性を蔑ろにしたカネ儲け主義に傾きがちだからです。保険診療は臨床データを重ねた結果、リスクとその対処方法が確立されていますが、美容医療はそうではない。どのようなリスクがあるのかすら不明なまま、医師の恣意的な判断による治療で次々に事故が繰り返されています」(同)