棋王戦 震災で妻を失った愛好家の駒を使って… 藤井八冠が言葉を選んで語った感想とは

国内 社会

  • ブックマーク

「しらさぎ」に乗って金沢まで

 金沢訪問は家族旅行や対局を合わせて4回目という藤井は、対局前に「伝統的な街並みが残っていて、海鮮に代表されるように食事もとても美味しいと思っていますので、そちらも楽しみにしています」と話した。

 鉄道好きで知られる藤井は、JR名古屋駅から特急「しらさぎ」に乗って金沢まで来たという。「北陸新幹線の延伸で『しらさぎ』も敦賀までになるようなので、そういう意味では良い機会だったのかなと思います」と喜んだ。

 一方の伊藤は金沢市は初めてだと言い「特に兼六園は非常に美しいところだなと写真などを見て思っていまして、一度訪れてみたいと思っています」などと話した。竜王戦では藤井にストレート負けした伊藤。藤井とはこれで、公式戦8敗1分けとなった。

 今期の棋王戦は、第1局が富山、第2局が石川、第3局が新潟と北陸での対局が続いた。第3局は3月3日に新潟県新潟市の新潟グランドホテルで行われる。
(一部、敬称略)

粟野仁雄(あわの・まさお) ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」(三一書房)、「警察の犯罪――鹿児島県警・志布志事件」(ワック)、「検察に、殺される」(ベスト新書)、「ルポ 原発難民」(潮出版社)、「アスベスト禍」(集英社新書)など。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。