「席代だけで7~8万円」 岸田総理の秘書官の“銀座高級クラブ通い”に専門家は「緊張感がなさすぎる」
本人がついた「ウソ」
ここは山本氏ご本人に聞くしかあるまい。都内の自宅から妻らしき女性と二人で出てきたところで声をかけると、
「ああ、何があったの?」
“政治のことを聞きにきたのかな”というような、余裕のある対応である。しかし、「銀座」という語を口にした瞬間、顔がこわばり、動揺した様子を見せた。
――銀座で飲み歩いているという話があるが?
「お答えする必要はない」
――「クラブA」という店名、ご記憶にない?
「(少し驚いたような表情で)あー……お答えするつもりはありません」
――リエさんという女性、ご存じない?
「ちょっと勘弁して下さい。やめて下さい。はい」
――支払いはどのようにしている?
「いや、だから、お答えしません!」
――自民党の「裏金事件」などで大変な時にも飲み歩いていた?
「行ってません。行ってません」
――行ってない?
「はい」
その後はこちらの質問にほとんど答えないまま車に乗り込んでしまった。そこで、しばらく後に携帯電話に連絡すると、本人が出た。
――本当に「行ってない」でよろしいか?
「だからそれは、お答えするつもりはありません」
――山本さんの写真を撮影している。このままだとウソをついている形になってしまうが?
「だからね、私は基本的に週刊誌にはお答えいたしません。はい。はい」
――岸田総理はこのことを知らないのか?
「そういったことも含めてお答えしません」
後日、岸田事務所にも取材を申し込んだが、
「ご質問の秘書官のプライベートについて、事務所は把握していません」
との文書回答が寄せられたのみ。山本氏の飲み代の出どころは岸田総理の政治資金や、いわゆる官房機密費ではないのか、といった質問に明確に答えなかったのである。
総理秘書官経験者の証言
「総理秘書官の年収は1200万~1400万円くらい。家族がいて生活費を家に入れなければならないとすると、自分の金で銀座の高級クラブ通いなんて到底無理です」
過去の内閣で総理秘書官を務めた人物はそう語る。
「そもそも総理秘書官は遊ぶ余裕などないくらい忙しい。能登の震災があり、政治とカネの問題が噴出している今なんて、官邸は最大レベルで緊張しているはず。そんな時に総理秘書官が夜遊びなど、緊張感がなさすぎます。総理や幹事長、官房長官が叱らなければならない、というレベルを超えており、処分の必要を考えなければならない事態です」
先の青山氏によると、
「能登の震災で自衛隊をどう展開するかといった大事な決定にも、総理秘書官は関わります。そんな人が震災後の1月にも銀座通いなど、自覚がないにもほどがあります」
政治アナリストの伊藤惇夫氏も言う。
「飲み代の出どころは総理秘書官の給与、官房機密費、いずれにしても税金が原資ということになる。これから少子化対策として国民1人あたり月500円弱を徴収しようという時に、そうした政策調整の当事者である総理秘書官が銀座で飲み歩いているとなれば、国民感情として許されるものではありません」
「たかが銀座」では済まされないのだ。
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