山下「正直不動産」VS二階堂「EYE LOVE YOU」 火曜22時「ドラマ対決」に関係者から「もったいない」という指摘
キャスティングの違い
「NHKの火曜22時台のドラマ枠は、トップバッター『正直不動産』が上手くいき、出演者や制作者が本作を振り返る特別番組まで放送。ソフト化までされました。もっとも、その後は『大奥シーズン1』が話題になった程度で数字は芳しくなく、劣勢挽回とばかりに『正直不動産2』をぶつけてきたのでしょう。主演の山下智久は木村拓哉に次いで数字を持っているといわれています。06年4月期、プライム帯の連ドラでは単独初主演となった『クロサギ』(TBS)が、平均視聴率15・7%を記録しました。前作の『正直不動産』は山下に加え、朝ドラ『舞いあがれ』のヒロイン・福原遥、草刈正雄、大地真央、高橋克典、市原隼人と豪華なキャステイングでしたが、さらに『2』ではディーン・フジオカまで加えてきました。民放が広告費の減少で制作費が削減されている中、NHKの安定した受信料で豪華キャスティングですからね。民放のドラマスタッフは“民業圧迫”と叫びたいのではないでしょうか」
これに対するのがTBSの「Eye Love You」だ。
「主演は昨年の日曜劇場『VIVANT』の女医役だった二階堂ふみ、相手役には韓国人俳優のチェ・ジョンヒョプを起用しています。民放ゴールデン・プライム帯の連ドラで初の韓国人俳優の相手役ですが、韓国でもまだ新人クラスだそうです。これがかえって手垢がついてなくていいと評判です。山下美月や中川大志、杉本哲太、落語家の立川志らくなどが脇を固めています。不動産事業で稼ぐTBSとはいえ、キャストがNHKほど豪華ではないのは『VIVANT』の大赤字のせいかもしれません」
視聴率はどちらも5~6%台とデッドヒートが続いている。
リアタイ視聴はNHK
「『正直不動産2』の脚本は『監察医朝顔』(フジ)や『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日テレ)で知られる根本ノンジ氏などが担当し、風が吹くと正直なことを叫んでしまうお決まりパターンも『水戸黄門』(TBS)の印籠のごとく分かりやすく楽しめます。NHKには珍しく地面師詐欺やサブリース問題など不動産業界のダークな部分も描かれているのは、原作漫画の原案が以前に山下が主演した『クロサギ』と同じ夏原武氏だからでしょうか。NHKらしくなく、とても面白い」
「Eye Love You」の脚本は、まだ駆け出しクラスという。
「それだけに奇をてらわず、王道のラブストーリーを書いていることに好感が持てます。もっとも、視聴者はチェ・ジョンヒョプの無邪気な笑顔にキュンキュンなのでしょう。日本語の拙さに輪をかけてハマっている人も多いのでは」
火曜22時枠の勝負の行方は?
「リアルタイム視聴は『正直不動産2』に取られてしまうかもしれません。スタート時間は同じですが、NHKの放送時間は45分でCMもなく見やすいですからね。『Eye Love You』は録画かTVerで見る人が多いのでは。どちらも楽しめる作品になっているだけに食い合いになるのは非常に残念です。ドラマ枠の裏かぶりというのは割に合いません」