山下「正直不動産」VS二階堂「EYE LOVE YOU」 火曜22時「ドラマ対決」に関係者から「もったいない」という指摘

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 同じ曜日の同じ時間、同じドラマ枠の“裏かぶり”が話題になっている、日本テレビとフジテレビの水曜22時台。今期、日テレは「となりのナースエイド」、フジは「婚活1000本ノック」を放送中だが、これが最後の戦いとなる。4月から日テレは、同ドラマ枠を土曜21時台に移動すると発表したからだ。その一方で因縁深いのが、火曜22時台の枠だという。

 ***

 日テレが“水曜ドラマ”を放送していた水曜22時台に、フジがドラマ枠を新設したのは2022年4月だった。民放プロデューサーは言う。

「以来、日テレとフジの直接対決が始まったのですが、基本的に日テレが圧勝してきました。現在放送中の川栄李奈・主演『となりのナースエイド』の視聴率は、初回8・6%を皮切りに7~8%台をキープしています。一方、福田麻貴(3時のヒロイン)主演『婚活1000本ノック』(フジ)は、初回3・6%以降、2~3%と半分以下の数字です(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)」

 にもかかわらず、日テレが枠を移すのはなぜか。

「同曜日・同時間の裏表編成は、話題性はあっても両社とも得はありません。ただでさえ地上波のリアルタイム視聴が減少している中、ドラマ同士で食い合ってしまうわけですから。日テレとしては年間視聴率3冠王の奪還という目標がありますし、広告付き無料配信の再生数を狙っているフジのドラマと争っている場合ではないということでしょう。いわば“逃げ恥”ということでは?」

 ハンガリーのことわざだという「逃げるは恥だが役に立つ」をタイトルに持つ原作漫画をドラマ化したのがTBSの火曜22時枠だった。

三つ巴の戦いも

「火曜22時台のドラマ枠というのは“因縁深い枠”と言っていいかもしれません。遡れば、NHKは1990年からこの時間帯にドラマを放送していました。そこにフジがカンテレ制作のドラマ枠を設けたのが96年4月、中居正広・主演『勝利の女神』、草なぎ剛・主演『いいひと。』『僕の生きる道』、反町隆史・主演『GTO』などヒット作を連発。2014年4月にTBSが乗り込んでくると、一時は三つ巴の戦いとなりました」

 この時、早々に撤退したのは、意外なことにNHKだった。

「NHKは16年4月から金曜22時台にドラマ枠を移動。フジも同年10月に1時間繰り上げた火曜21時枠に移動させた後、現在は月曜22時枠で木梨憲武・主演の話題作『春になったら』を放送しています」

 勢いづいたのがTBSだ。

「16年10月期に新垣結衣・主演で大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』が放送され、18年7月期には綾瀬はるか・主演『義母と娘のブルース』、20年1月期には上白石萌音・主演『恋はつづくよどこまでも』など、ヒット作を連発しました。ところが、そこにNHKが舞い戻ってきたのです」

 22年4月期だった。火曜22時台にドラマ枠を戻したNHKが最初に放送したのが「正直不動産」で、現在放送中の「正直不動産2」の前作である。

次ページ:キャスティングの違い

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。