横浜流星と今田美桜で勝負に出る…NHKが来年の大河と朝ドラを絶対外すわけにはいかない事情

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横浜は若い視聴者を掘り起こせるか

「べらぼう」は64作目の大河だが、江戸時代が描かれるのは6作目。文人の視点であの時代が描写された作品はなく、新鮮な物語になりそう。

 一方、横浜の特技は極真空手で、10代の時には青少年大会(2012年)で世界一になった経験もある。ボクシングのプロライセンスも持つ。まったく文人肌でないところが面白い。若手の実力派と目されており、2023年には沢木耕太郎氏(76)原作の主演映画「春に散る」などの演技で報知映画賞を得た。

 助演も力強い。渡辺謙(64)が当時の老中・田沼意次に扮する。渡辺の大河は「西郷どん」の島津斉彬役以来、7年ぶりで6回目。渡辺が「独眼竜政宗」(1987年)に伊達政宗役で主演したのは28歳の時 だから、横浜は1歳若い。

 NHK側としては、横浜が若い視聴者を掘り起こしてくれることも期待しているのだろう。現在の「光る君へ」は49歳以下の個人視聴率が2%強しかない。若い視聴者が観てくれないと、大河の将来は暗い。

「あんぱん」と「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」がNHKドラマの威信を見せつけるか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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