妻の妊娠中に不倫相手も妊娠させた“ズルい男”の告白 18年続けた「二重生活」を突然、破綻させた出来事
前編【妻と不倫相手、どちらとも家庭を築く…「これが自分の誠意の示し方だった」という50歳夫の末路】からのつづき
飯田尊仁さん(50歳・仮名=以下同)は、妻と不倫相手、「どちらとも家庭を築く」という選択をした。田舎から高校進学を機に上京し、結婚したのが会社の同僚だった真希子さんである。その後、尊仁さんは起業。妻の妊娠がわかったのと時を同じくして出会ったのが、同郷の文佳さんだった。故郷に良い思い出のない尊仁さんだが、それを上書きするかのような思いで、文佳さんに惹かれていった。
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結婚して1年足らずで、尊仁さんは文佳さんと「不倫」した。だが、問題だったのは彼自身が文佳さんとの関係を「運命だと思っていたこと」、そして自分が既婚だと彼女に告げなかったことだった。
「特に既婚だと言わなかったのは、聞かれなかったからということもあるし、言えなかったのもある……。いや、ずるいですよね、一般的には。でも彼女とは運命だと思っていたから、僕が結婚しているかどうかは関係なかったんです」
関係なかったのは尊仁さんの意見であって、関係があるかないかを決めるのは独身である彼女のほうだろう。言わなかった、言えなかったは理由にはならない。この国では、ひとりしか結婚できない。それが法だ。
ふたりのどちらも失いたくなかった
家庭では、日に日に大きくなっていく妻のお腹をさすりながら、一方で文佳さんの部屋で関係を続けていた。それを「ずるい」と言わずして何をずるいというのか。
「わかってはいたんです。いつか問題になると。仕事もがんばらなくてはいけないし、妻にも気を配りたいし、文佳には嫌われたくないし。あのころは必死でした。誰かを裏切りたかったわけじゃないんです」
前のめりになってそう釈明する尊仁さんを、私が裁くわけにはいかない。そんな資格はない。彼は起こった事実を率直に話してくれているだけなのだから。
個人事業主の彼は時間の融通が利く。特に当時はまだ仕事をどんどん増やしていきたい時期だったから、ツテを頼って営業にもいそしんだし、つきあい酒も多かった。あちこちに顔を出し、仕事を得るためなら何でもしようとしていた。
「お腹の大きな妻には申し訳なかったけど、夜遅くなることもありました。文佳にも会いたい。3回は本当に仕事で遅くなったけど、次の1回は文佳との逢瀬で遅くなった。そういうことも多々ありました」
週末だからといって休めるとは限らないと妻に言って、文佳さんと映画を観に行ったり美術館デートをしていたこともある。ふたりのどちらも失いたくなかったし、どちらからも嫌われたくなかった。そして仕事もフルでがんばったと彼は言う。
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