「沖縄戦」で“部下の9割を失った”指揮官は遺族に贖罪の手紙を送り続けた… 戦没者の妻、父母からの356通の返信が伝えるメッセージ
「あなたのお母様が70年前に書かれた手紙を返還したいのですが」――。ある日突然、見ず知らずの人からそう連絡を受けて、すんなり受け入れる人はほとんどいないだろう。相手の意図は何か。もしかしたら詐欺なのではないか。世知辛いご時世、疑うほうが自然だ。だが、世の中には何の得にもならないことを、いわば使命感だけでやっている人もいる。青森県在住の浜田哲二・律子夫妻がそうだ。2人は元新聞記者。取材がきっかけで沖縄戦の遺骨収集をボランティアで20年以上続けている。
夫妻は活動の中で、沖縄戦を戦い抜き、米軍から陣地奪還を果たした、青年将校・伊東孝一から手紙の束を託される。...