NHK「平日5時間生放送」は早くも前途多難との指摘…民放に勝つための方法がたった1つだけある
NHKには苦手な話題
「個人視聴率がテレビ東京と並んで断トツの最下位というのは大問題です。民放で個人が1%を切ると確実に責任問題に発展します。これを何とかしたいとNHKが総力を上げるのは理解できますが、それでも民放に危機感はありません。理由は『NHKが新番組の「ニュースーン」を利用して午後1時から午後6時まで情報・報道番組を流しても、視聴率の取れる話題を扱うことはできない』からです」(同・社員)
芸能人など著名人による性加害、不倫問題。歌舞伎など伝統芸能のスキャンダル、残忍な殺人事件、旧統一教会と自民党の関係──確かにNHKには苦手な話題が目立つ。
「民放のワイドショーは“表現の自由”を掲げ、視聴者の興味を惹くよう内容を工夫しながら核心に斬り込む報道を心がけます。一方のNHKは放送法にがんじがらめに縛られています。地震など大きな災害が発生すると強さを発揮するでしょうが、毎日のように起きることではありません」(同・社員)
ここでテレビ関係者が思い出すNHKの番組がある。2017年4月から21年3月まで4年間、船越英一郎と美保純がMCを務めた「ごごナマ」だ。時間帯は当初、午後1時から午後2時までの2時間だったが、20年10月からは午後1時40分スタートに変更された。
起死回生の策はMLB!?
「視聴率はしばしば世帯1%台を記録し、『最低5年は続ける』と公言していましたが、最終的には4年で幕を閉じました。話題のネタを全く放送しなかったことが最大の敗因で、『ニュースーン』は同じ鐵を踏むのではないでしょうか。おまけにNHKは超低視聴率番組である『国会中継』を放送しなければなりません。簡単に視聴習慣が破壊され、民放にチャンネルを戻される可能性があります」(同・社員)
せっかく鳴り物入りで新番組をスタートさせるのに、早くも問題だらけという印象のNHKだが、起死回生の“必殺技”がないわけではないという。
「NHKでも数字が取れるネタが一つだけあります。それは大谷翔平さんや山本由伸さんといった、日本人の大リーグ情報を毎日、毎日、繰り返して詳報することです。確実に常連客がつきます。民放は放送時間に応じて増える放映権料を払えないため、どうしても扱いが短くなります。資金豊富なNHKなら尺を気にせず、いくらでも流せるでしょう」(同・社員)
註1:NHK 平日午後1時から5時間の生放送の情報番組 「ニュースーン」などスタート(スポニチアネックス:2月14日)
註2:NHK、4月改編で新情報番組「NEWSOON」平日5時間生放送 「ニュースウォッチ9」メインキャスターに星麻琴アナウンサー(サンケイスポーツ電子版:2月14日)