NHK「平日5時間生放送」は早くも前途多難との指摘…民放に勝つための方法がたった1つだけある
NHKは4月1日から、報道・情報番組の「午後LIVE ニュースーン」を平日午後3時10分から午後5時57分まで総合テレビで放送する。スポニチアネックスは《民放各局に殴り込みをかける形となる》、サンケイスポーツ(電子版)は《民放にとって脅威となりそうだ》と報じた(註1、2)。
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【写真で確認する】「NHKの秘策って何?」 午後1時~6時の視聴率は“最低”クラスだが、実は「必殺技」があるという
NHK総合は現在、午後1時からニュースを、午後1時5分から55分まで「列島ニュース」を放送している。
4月から「列島ニュース」は午後2時台まで放送時間を拡大。その後は「時事公論」の再放送などを挟み、新番組の「ニュースーン」につなげるという戦略だ。担当記者が言う。
「お昼以降だけでなく、夕方の番組編成も注目を集めています。『ニュースーン』が終わると、午後6時から全国ニュースが放送され、その次は全国各地でローカルの報道・情報番組が流れます。関東なら『首都圏ネットワーク』、関西なら『ほっと関西』という具合で、さらに午後7時から『ニュース7』が始まります。これを利用してNHKは『ニュースーン』が終わってからも、報道を主体にした番組編成にすることで、『ニュース7』が終わる午後7時半までぶっ続けで見てもらおうと考えているはずです」
冒頭でスポーツ紙2紙の報道に触れたが、「報道のNHK」というイメージは強い。午後1時から報道・情報番組が続くとなると、確かに民放としては脅威に違いない。
ところが、である。民放キー局に勤務するベテラン社員は「結論から言って、民放各局は歯牙にもかけていません」と言う。
「社内で話題にもなっていません。NHKは平日午後の視聴率が欲しくて仕方がないのでしょう。実は民放よりNHKのほうが視聴率を気にしています。受信料で運営しているため、視聴率の高い番組を制作し、未契約者を減らすのが重要な経営課題なのです。昨年の『紅白歌合戦』でも受信料について触れたり、NHKプラスを宣伝したりと、必死だったのは記憶に新しいところです」
午後が弱点のNHK
今でもNHKの「連続テレビ小説」や「大河ドラマ」は人気番組だ。だが昭和の時代はゴールデンでも高視聴率番組が放送され、民放からは“民業圧迫”と悲鳴が上がったこともあったという。
「ほんの一例だけを挙げると、1969年から1991年まで放送された『連想ゲーム』や、81年から88年までの『クイズ面白ゼミナール』は好評を博しました。ところが近年、地上波の視聴率は右肩下がりとなり、NHKもゴールデンの時間帯は苦戦しています。唯一の人気番組と言っていい『ブラタモリ』も4月で終了します。それでもNHKは『ニュース7』と『ニュースウオッチ9』が高い信頼度を誇っています。朝は『連続テレビ小説』と『あさイチ』が順調です。となると、視聴率がひどい午後1時から6時までの間をテコ入れするのは当然の選択だとは思います」(同・社員)
2月12日から16日まで、ビデオリサーチが調査した午後1時から6時までの平均視聴率(関東地区、リアルタイム、個人)を上から順に並べると、次のようになる。
【1】日本テレビ:2・6%
【2】テレビ朝日:2・4%
【2】TBS:2・4%
【4】フジテレビ:1・2%
【5】NHK:0・8%
【5】テレビ東京:0・8%
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