「脳梗塞で半年入院」「要介護5」でも自宅で暮らす“ムード歌謡の帝王”「敏いとう」 愛娘が語る「愛と涙、笑いの在宅介護」日記

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在宅介護の“限界ライン”

 ショートステイは介護する側の負担軽減にも繋がるため、実奈さんは積極的な利用を勧める。

「たとえばウンチの処理にしても、最初は“キツい”と思いましたが、慣れれば平気になるもの。ただ“臭いはストレスの元”になると分かったので、掃除をこまめにしたり、“臭わないゴミ袋”という商品を使ったりして、余計なストレスは溜めないようにしています。自宅で付きっきりの介護は週2日ですが、正直、それでも気の休まる時はありません。だから“もうムリ!”って大声を上げたくなる瞬間もありますが、父から『ありがとう』と言ってもらった時には“お父さん、かわいい”と素直に思え、“よし、もうちょっと頑張ってみよう”と気持ちがリセットされるんです。実際、私の場合、父との時間は『介護』というより『サポート』といった感じに近く、“大変だけどハッピーでもある”というのが正直な想いです」(実奈さん)

 一方で「たとえば24時間、タンの吸引が必要になったりしたら施設に入ってもらう」など、実奈さんはすでに在宅介護の限界線を明確に引いているという。敏氏の年齢を考えれば、自分が介護できる日も「有限」だと分かっているため、できるだけ日々の介護を楽しむようにしているそうだ。

デイリー新潮編集部

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