「ポスト山本由伸」オリックス・斎藤響介が歩む“エース昇格ロード” 若手投手陣の台頭ぶりは今季も恐ろしい

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プロ2年目のブレーク候補

 オリックスのキャンプ地、宮崎・清武総合運動公園のブルペンは、一度に10人の投球練習が可能だ。そこにずらりと投手10人が並ぶと、なかなかの迫力がある。

 2月2日、キャンプ初日。

 ブルペンで注目を浴びたのは、身長177センチ、体重72キロの右腕だった。

 筋骨隆々の猛者たちが集うプロ野球チームの中に入ると、実にスレンダーな19歳なのだが、その右腕から繰り出されるストレートは、まだキャンプ初日だというのに、他の投手たちを圧倒するだけの勢いと伸びがあった。

 斎藤響介。

 この“細身の新戦力”が、ポスト山本由伸の一番手と言っても過言ではない。「ネクストブレーク」の評判の高いプロ2年目は、満を持して、この2024年を迎えた。

「ブレーク候補? はい、耳には入ってきます。頑張りたいなと思います。期待してもらっているところもあるので」

「ホントにいい真っすぐだった」

 岩手・盛岡中央高からドラフト3位指名で入団。東北担当だった内匠政博スカウト(現編成部プロ調査グループ)は、同じPL学園高出身の盛岡中央高・奥玉真大監督から「いい2年生のピッチャーがいるんです。期待できますよ」という“推薦”を受け、斎藤を視察したときの衝撃を忘れないという。

「ホントにいい真っすぐだったんです。質のいい真っすぐというやつですね。その時からもう、それを投げていましたね」

 スピンの効いたストレートは、高校生レベルでは簡単にはじき返せない。ところが、その当時はまだまだスライダーが“並”だったという。

 内匠スカウトの表現を借りれば「いかにも、っていうスライダー。だから、高校生レベルだと、それがちょうど合うんですよ」。

 つまり、ストレートよりスピードが少々落ちるスライダーを、真っすぐのタイミングで振ると、不思議なことに、ごく普通の高校生には合ってしまうというわけだ。

 ところが、数ヵ月もすると「カットボールを覚えて、打てなくなりましたね」と内匠スカウト。当時のMAXが152キロ。これに加えてストレートの軌道で小さく変化する球が使えるようになると、もはや“無双状態”というわけだ。

 3年夏の岩手県大会準決勝では強豪・花巻東を撃破。決勝では一関学院に2-3の惜敗で力尽きたが「甲子園に出ていたら、これはブレークしてしまうだろうなと思った」と内匠スカウト。最終的に「上位で挙げてください」と担当スカウトとして、自信を持って上位指名候補に「斎藤」の名を挙げたという。

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