暖冬で「使い切れなかった灯油」は次の冬にまた使えるか?

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使い切れなかった分は処分

 変質灯油を使うとどうなるのか?

 石油ファンヒーターは点火・消火時に温風吹き出し口から白煙が発生し、気化器にタールが付着する。石油ストーブではすすが出て、発火する際の芯にタールが付着することでうまく作動しなくなり、点火ミスを起こしやすくなるという。

「怖いのは消火不能になる場合があること。使用時に緊急消火ボタンを押しても、芯が落ちずに消火できなくなることも。さらに火力が落ち、燃焼が不安定になります」(同)

 大阪市消防局では今年1月、「灯油の危険性について」と題し、取り扱いや保管方法に関して注意喚起の呼びかけを行った。それによると、普段から灯油の保管には、消防法令で定められた推奨マーク付きの容器を使うのが望ましいが、正しく使用しても5年をめどに更新した方がいいそうだ。その上で、

〈通風または換気のされた冷暗所で貯蔵。必要以上に買い貯めしない。容器は密栓する。注入用ノズルなどを取り付けたまま貯蔵しない〉(同局HPより)

「変質灯油を使用することで、ストーブが通常とは異なる燃焼をする、または故障してしまう。そうした要因がもとで、火災を誘発する可能性もあります。灯油は毎年のご購入分を必ず使い切っていただきたいです」(予防部規制課)

 それでも使い切れずに、余ってしまった灯油はどうすればいいのか。東京都石油業協同組合によると、

「買ったお店に相談していただくのが一番ですが、最寄りのガソリンスタンドに持ち込んで頂いて、有料で引き取ってもらうこともできます。ただし、全てのスタンドが対応しているわけではないので、事前に問い合わせて確認してください」

 東京都だけでなく、多くの自治体で灯油を購入した店舗に相談することを推奨している。住宅街では車による石油販売もあるが、領収証は必ず保管し、もしもの時に備えておきたい。

デイリー新潮編集部

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