外国人の男女が日本で結婚すると得られる「家族滞在ビザ」の知られざる実態 「日本の男と我慢して交際しなくていい」という声も

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タテ社会と外国人

 今では日本人より“出世”するクルド人も出現している。日本人の常識に照らし合わせると、クルド人の問題行動に非難が集中することは当然だ。しかしながら彼らの持つ高いコミュニケーション能力から日本人が学べることも少なくないはずだ。

 実際、日本の職場環境には、ややいびつなところがある。いまだにタテ社会がはびこっているのは、その一例だ。

 上下関係を明確にすることで指揮系統が一本化され、業務を効率よく進められるのがタテ社会のメリットだ。しかしながら、日本で上司の責任逃れは日常茶飯事だろう。

 タテ社会がパワハラやセクハラの温床になっていることも多い。「巧妙にハラスメントを行う者が、日本の会社では出世する」という指摘もあるほどだ。そしてクルド人たちは、高いコミュニケーション能力で、タテ社会=ハラスメント社会にも順応してしまう。

 たとえ「不法滞在者」とか「不法就労者」と呼ばれようとも、法律の網だけでなく、日本のハラスメント社会の隙間をぬうようにして、在留外国人は社会進出を果たしていく。それが偽らざる現実のようだ。

藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌等で、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。2020年に『山口組対山口組』(太田出版)を上梓。

デイリー新潮編集部

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