“崖っぷち”に追い込まれたオリックス「T-岡田」 もう一度輝く姿を見せた時に「4連覇」がぐっと近づく
「生え抜きスター」の復活はなるか
シンプルに、そして力強く――。
時には、三冠王三度のバットマン・落合博満(元中日監督)のように、グリップを体の正面に突き出す“神主打法”の形から、左耳下にグリップを位置した後に、バッティングを始動させていた。屋外の特打後に室内でマシン打撃を繰り返した際には、そのシンプルなルーティンを、何度となく繰り返していた。
「定期的に休みましたけど、オフはほぼ、ずっと動いていた感じです。元々、僕はそういうタイプなんですよ」
継続的に、オフも大阪・舞洲のファーム施設で打ち続けていた。背中を痛めた昨季はキャンプでも満足な練習をこなせなかったが「今年は今のところ大丈夫です」。
守備練習でも一塁に入り、ノックを受け、内野の連係プレーにも参加。順調な滑り出しを見せている。オリックス一筋19年という「チームの顔」でもある生え抜きのスターは、自らの進退は、自らで決めることができる立場でもある。
オリックスが弱いときも、強いときも、背番号「55」は、その歴史の流れの中に必ず存在していた。その長き歩みを見続けてこられた一記者の立場として、もう一度、T―岡田の輝きを見てみたい。そして、ベテランがもう一度輝く姿を見せたとき、オリックスの「4連覇」も、ぐっと近づくことだろう。
だからこそ、T-岡田の復活に期待してみたいのだ。
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