64年東京五輪・コンパニオン秘話 皇太子夫妻にサインをねだる姿にIOC委員長は困惑…「当時の日本人は未来に惚れていた」
快晴に恵まれた1964年10月10日の旧国立競技場(東京・新宿区)で、94の国と地域の選手団が輝く笑顔を見せた。日本で初めてのオリンピック、64年東京五輪の開会式である。45年の終戦から19年、国際都市としての発展を世界にアピールすべく、政府は施設や交通インフラの整備を行った。人材面でも妥協はなく、「コンパニオン」として集められたのは良家の帰国子女だ。「セレブ」の代名詞として注目された彼女たちだが、実際の“おもてなし”は予期せぬトラブルが多発。閉会時には疲労困憊するほどの激務だったが、一方では「未来」を夢見る日本のパワーもひしひしと感じていた。...