臨時コーチで大活躍、レッドカーペットの逸話も…松井秀喜氏は今後、巨人の監督になるのか

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臨時コーチを風物詩に

 また、山口鉄也・二軍投手チーフコーチ(40)が現役だった14年の春季キャンプ中のことだ。挨拶に行くと、松井氏は08年以降、山口コーチが60試合以上に登板してきたことを知っており、労いの言葉を返しただけではなく、前年シーズンの具体的な試合を挙げて逆に質問をしてきたという。

「松井氏はヤンキースのGM付特別アドバイザーとして、今も米国に拠点を置いていますが、衛星中継で巨人戦はチェックしています」(前出・関係者)

 松井氏といえば、巨人時代の本塁打量産、ヤンキースで長くクリーンアップを務めた実績が評価されているが、阿部監督を始めとする今の巨人首脳陣は、別の視点で「打者・松井」の凄さを認めているという。それはヤンキースに移籍した03年。外国人投手特有の、ホームベース付近で「動く」ムービングボールに苦しみ、本塁打は前年の50本から16本に激減した。しかし、打点は106でア・リーグ10位。内野ゴロを積み上げ、「ゴロ王」とも揶揄されたが、走者を進塁させていた。そうしたチームの勝利を最優先する自己犠牲の精神を注入したいと、阿部監督が松井氏に連絡したそうだ。

 どれだけ質問攻めにあっても、終始和やかな雰囲気のなかで行われた今回の臨時コーチの様子を見ていると、松井氏と巨人に距離がある、という指摘は当たらないような気もするのだが…。

「今回用意したレッドカーペットが、今後の松井氏と巨人の関係に影響してくるかもしれません。『レッドカーペットを用意してくれるのなら』と、阿部監督に返した言葉もそうですが、セレモニー直後、『偉大な先輩を出迎えるにはちょっと短すぎるような』と、ジョークをかぶせていました。アメリカでは百点満点のナイスコメントかもしれませんが、せっかく苦労して運び込んだのにと、一部から苦言も出ました。言葉選びがすっかりアメリカ流に染まりきっていますね」(前出・同)

 巨人が本気で松井氏を呼び戻したいと考えているとしても、やはり長くなりすぎた米国生活がネックになるのか――それはさておき、氏の臨時コーチを、長嶋茂雄・終身名誉監督(88)の表敬訪問のように、キャンプの風物詩に発展させたいとのチーム関係者もいる。

デイリー新潮編集部

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