臨時コーチで大活躍、レッドカーペットの逸話も…松井秀喜氏は今後、巨人の監督になるのか
30メートルのレッドカーペット
阿部巨人が対外試合で快勝した（2月18日）。勝因は打線で13安打11得点と爆発し、対戦したKBO・サムスンの6投手全員に失点をつけた。これも、「ゴジラ松井効果」なのだろうか。
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「臨時コーチとして、OBの松井秀喜氏（49）が10日から5日間、選手を指導しました。松井氏が臨時コーチを務めるのは6年ぶり、今回で4度目。過去3回と比べ、巨人ナインや首脳陣とかなり親しそうにコミュニケーションを取っていました」（スポーツ紙記者）
同じ印象を持った取材陣が少なくない。
チーム関係者によれば、松井氏が臨時コーチを“快諾”したのは昨年10月。阿部慎之助監督（44）が指揮官に就任した直後、2人が連絡を取り合う機会があり、そこで「レッドカーペットを用意してくれるのなら？」と、松井氏が冗談交じりに返してきたという。
「約30メートルのレッドカーペットは、セレモニーのために発注しました。代金は30万円ほど。セレモニー後は、キャンプ地の宮崎県営総合グラウンドの倉庫に一度、しまっています。帰郷する際に持って帰りますが、またいつか、別の機会で使うこともあるかもしれませんので」（チーム関係者）
時間にして10分程度のセレモニーのために、30万円を投じたようなものだ。松井氏は照れと戸惑いの入り混じった表情を見せていたが、それより気になるのは、
「松井氏は巨人の監督になるのか？」
「巨人との関係はどうなっているのか？」
松井氏の「レッドカーペットを用意して～」のジョークについて、同氏と巨人の関係が良好ではないと見る勢力は「（臨時コーチを）断る口実」だとし、逆の立場の関係者は、「レッドカーペット発言は、あくまでもユーモア。後輩の阿部監督が指揮官となり、先輩として応援したいと思ったのは本当です」と話す。
もっとも、こうした外野の声をよそに、松井氏の指導は熱を帯びていたという。
打撃フォームに関する正解はない
「宮崎入りするまでの間、秋広優人（21）の件で阿部監督と松井氏は連絡を取り合っていました。阿部監督のほうから、配球でウラを掛かれたときにボールを追いかけて打ちに行く悪癖があることや、バットでボールを捉える瞬間を指して『点で捉えている、線で打ちに行くようにして欲しい』と相談していました」（前出・同）
松井氏はセレモニー後、40分以上に渡って秋広にアドバイスを送っていたのは既報通り。耳のあたりで構えていたバット・グリップの位置を肩の高さまで下げ、後ろ足に体重を残しながら踏み込んでいく新打法がレクチャーされたが、これは、松井氏が阿部監督から相談されていた秋広の弱点克服のための回答でもあったという。
「体重を残しながら下半身だけが前方に移動するので、選手たちは『上半身と下半身に割れができる』と言っています。上半身が後から付いていく感覚でバットを振るんです。たしかに強い打球が飛ぶんですが、力を入れなくなった分、物足りなさがあるみたい。松井氏はそういう感覚、違和感についても助言していました」（前出・スポーツ紙記者）
宮崎滞在中は日本テレビの企画で一学年後輩の高橋由伸氏（48）との会談も行われた。こちらも二つ返事で快諾しており、滞在中の5日間は、打撃面のことで終始、若い巨人選手たちから質問攻めにされていた。
「松井氏の持論は“打撃フォームに関する正解はない”です。体幹は人それぞれだし、往年の強打者の打撃フォームを模倣しても、結果にはつながりません。秋広を始め、指導した若手たちには『自分に合わなければやめてもいいから』と必ず伝えていました」（前出・関係者）
松井氏が質問攻めにされた理由は、過去の指導実績によるものだろう。16年の高橋氏の監督就任1年目には、特定の選手に付きっ切りになることはなかった。しかし、同年の坂本勇人（35）はキャリアハイとなる打率3割4分4厘をマークした。その後も坂本は松井氏に教わった「体重移動と割れ」の理論を大切にしており、18年に薫陶を受けた岡本和真（27）も同様のことを口にしている。
「1回目の臨時コーチを務めた14年、時間を割いて指導したのは大田泰示（33＝現DeNA）でした。大田の素質が開花するのはもっと先になりますが、首脳陣は期待の若手を松井氏に預けてきました」（前出・同）
チームに強い影響力を持つ坂本、岡本の2人が「ゴジラ理論」に心酔しているうえに、“大谷効果”も加わったという。
「22年シーズンに、62本の本塁打を放ったヤンキースのアーロン・ジャッジ（31）も2A時代、松井氏に教わっています。ジャッジと大谷のハイレベルなMVP争いは同年のシーズン後半、連日報道されていました。ジャッジのプロフィールが日本に紹介される過程で、ゴジラのアドバイスの話も出ていました」（米国人ライター）
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