大谷翔平は今季、本気で30盗塁以上を狙い行くとは思えない…MLB専門家が指摘する意外な根拠

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 打率3割、30本塁打、30盗塁以上──ひょっとすると今季の大谷は“トリプルスリー”を達成するかもしれない。MLB(メジャーリーグ)ドジャースの大谷翔平はキャンプで走塁練習に力を入れており、それが大きな注目を集めている。

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 野球専門メディア・Full-Countは2月14日、「大谷翔平が“走塁改革”『スピードを効率よく』 スタートの切り方から48分の徹底追求」との記事を配信、多数の読者が目を通した。

 日本時間の14日、キャンプ中の大谷が走塁練習に約48分を費やした。ブルワーズやレッドソックスで監督を務めたロン・レニキーGM特別補佐の直接指導。リードの幅やスタートの切り方、帰塁の方法などを徹底的に練習したという。

 レネキー氏は取材に応じ、「彼にはものすごいスピードがある」と絶賛。さらに、大谷自身が「もっと走りたい、もっと盗塁をしたい」と意欲を見せたことも明らかにした。

 ご存知の通り、今季の大谷は右肘のリハビリのため打者に専念する。日刊スポーツ(電子版)も14日に配信した記事で大谷の走塁練習について報じ、《盗塁増と成功率の改善も今季のテーマの1つ》と指摘した(註)。

 昨季の大谷は599打席に立ち、打率3割0分4厘、44本塁打、そして20盗塁だった。二刀流でも、あと10盗塁していればトリプルスリーを達成していたわけだ。

 そしてデータを見れば、「打者に専念した大谷のトリプルスリー達成」は現実味を帯びていることが分かる。

成功率の低い大谷

 大谷の盗塁におけるキャリアハイは、日本ハム時代を含めて21年の26盗塁。30盗塁まで、あと4つだ。ところが、この年は盗塁死も10を記録しており、こちらはキャリアワーストだった。担当記者が言う。

「盗塁に挑戦した36回のうち26回で成功したわけですから、成功率は72・2%になります。レネキー氏は『盗塁なら75~80%で成功する必要がある』と指摘。36回の挑戦で成功率8割なら28・8盗塁、30盗塁まであと1・2盗塁になります。さらに、大谷選手が打者に専念すれば、投手という重い負担がなくなりますし、打席数が増える可能性があります。二刀流としてフル回転した23年は599打席でしたが、打者専念なら650打席到達も期待できるでしょう。打席が増えれば出塁の機会も増え、盗塁も増えるという予測が成り立ちます」

 NPB(日本プロ野球)でトリプルスリーと言えば、ヤクルトの山田哲人を思い浮かべる人も多いだろう。

 2015年は3割2分9厘、38本塁打、34盗塁を記録し、セ・リーグ史上最年少の23歳でトリプルスリーを達成。翌16年は3割0分4厘、38本塁打、30盗塁で、NPB史上初となる複数回かつ2年連続の達成を果たした。さらに、18年には3割1分5厘、34本塁打、33盗塁で、3回目のトリプルスリーに輝いている。

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