公判中の柿沢未途被告に新たな公選法違反疑惑…関係者は「順法意識が低すぎた」

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 昨春の江東区長選をめぐって、公職選挙法違反の容疑で起訴されている柿沢未途・前衆院議員。元法務副大臣の身でありながら、まだ表に出ていない“余罪”があることを、事務所関係者が打ち明けた。

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 20日の被告人質問で柿沢氏は、何を聞かれても「公訴事実すべてに争わない」という、初公判での発言を繰り返すのみだった。検察はかねてより、当時の現職区長・山崎孝明氏の地元での影響力を削ぐために、柿沢氏自らが木村弥生・前区長を擁立し、選挙戦を主導していった経緯などを主張している。公判を通して、選挙時の“柿沢色”の強さが印象付けられている形だ。

「木村さんの選挙は、完全に柿沢さんが主導したものでした」

 そう振り返るのは、柿沢事務所の関係者。

「例えば、問題となったネットの動画広告は、『統一地方選の前半戦では、公明党の落下傘候補が動画広告によって軒並み当選を果たしたらしい。誰もお咎めなしみたいだったからこれをやろう』と柿沢さん自らが提案。動画自体の内容にも深く介入していて、木村さんのイメージカラーは青のはずなのに、やたらとオレンジが目立つものになったのは、『柿色を入れろ』という、柿沢さんたっての希望です」

 動画広告のみならず、のぼりやチラシにも“柿色”が使われるほどの熱の入れようだった。話はこれだけではない。

「柿沢さんが国会に出席している間でさえも、現場にいるスタッフには常にLINEで指示が飛び続けていたようです。木村さんの演説はほとんどチェックしていて、直接見られないものは、スタッフに録画や録音を送らせる徹底ぶり。一つひとつチェックしては、『今日の木村さんの服装はとてもよかった』『話し方をこうした方がいい』などとアドバイスをしていて、そのあまりの入れ込み方に、周囲では2人の関係を疑う人もいたくらいです」

 さらに陣営のスタッフ事情についても、こう打ち明ける。

「そもそも木村陣営のスタッフは、柿沢事務所から送られてきたメンバーばかりで成り立っていました。傍から見たら、柿沢事務所がそのまま選対チームを組んでいた感じでしたよ。柿沢さんが指示をしていたというレベルではなく、文字通り柿沢さんのための選挙だったように思います」

 こうした思いが行き過ぎたのか、上記の動画広告掲載、そして地元区議に対する買収行為によって、逮捕・起訴されるに至ったというわけだ。

2度の「事務所開き」

 一方、先の関係者はこんな話も明かす。

「実は柿沢さんには、まだ表に出ていない余罪があります。公選法上、選挙事務所の複数設置は認められていないのですが、木村陣営は、堂々と2つの事務所を開いていたのです」

 東京都選挙管理委員会に確認してみると、

「公選法131条で、選挙事務所の数は候補者一人につき一か所と定められています。一部例外が認められるケースもありますが、区長選の場合はそれに当たらず、一か所しか認められていません」

 そこで選挙期間中に木村氏の動向を発信していたXアカウント「江東区新時代の会 公式」の投稿を遡ってみると、「4月12日亀戸事務所開きにお集まりいただき、ありがとうございました!」という文言とともに、その事務所の写真が掲載されている。室内には、「木村やよい殿 祈必勝 矢田わか子」という為書きまで掲示されているくらいだから、これが選挙事務所であることに疑いの余地はあるまい。

 さらに遡ると、「4月8日、事務所開きに多くの皆様にお集まりいただき、ありがとうございました!」という投稿もある。写真を見る限り、上記の「亀戸事務所」とは違う建物のようで、別の投稿では「常盤選挙事務所」と称されている。こちらも室内には、野田聖子元総務大臣から土屋品子復興大臣まで、複数人の国会議員による為書きが飾られており、亀戸事務所と同様、選挙の拠点として活用されていたことは明らかだ。

 つまり、選挙事務所を複数設置していることを、当人たちが堂々と公言しているのである。信じがたい話ではあるが、違法であることを知らずして、このような行為に及んだということなのだろうか。

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