ソフトバンク・小久保新監督、巨大戦力に漂う“停滞感”から脱出へ 「支配下8枠争奪戦」で育成選手に好機到来

スポーツ 野球

  • ブックマーク

昨季の倍以上の“好機”

 その競争意識の高さは、62人という支配下選手の“少なさ”にある。

 実は昨季の同時期、支配下選手は67人だった。上限70人までの「3枠」を登録期限の7月末まで育成選手が争うのだが、チームが低迷したり、主力に故障者が出たりすると、そこを補強用の枠として使うことになる。

 昨季、ソフトバンクの「3枠」のうち、育成選手から支配下に切り替わったのは、投手の木村光1人だけ。残る2枠は、左腕のヘルナンデス獲得と、野手のデスパイネ復帰のために使われた。

 昨年7月には球団史上ワースト2位となる12連敗を喫するなど、チーム力を上げるためのやむにやまれぬ事情とはいえ、これでは昨季開幕時には54人もいた育成選手のモチベーションが上がらないのも、無理はないところだろう。

 これを、2軍監督から昇格した小久保新監督が“変革”したのだ。

 野球協約の「日本プロ野球育成選手に関する規約」の第3条に「育成選手を保有できる球団は、当面、現に『支配下選手』を65名以上(7月末日現在)保有する球団とする」と定義され、さらに「育成選手を保有し6月末時点で支配下選手が65名に満たない球団は、育成選手を支配下選手に移行するか、または新たな支配下選手を採用するかについて7月末までに実行委員会にて説明しなければならない」と明記されている。

 つまり、少なくとも育成選手保有の条件である「65人」まで、まずは支配下枠を埋めることが必要になる。だから最低でも「3」、うまくいけば7月末まで最大「8」の支配下枠を巡って、育成選手には支配下へ昇格するチャンスがあるのだ。

 2月の宮崎キャンプでのパフォーマンスは、その昇格判定への大きなカギになるのは間違いない。育成選手にすれば、それこそ昨季の“倍以上”の好機が到来しているのだ。

次ページ:和田毅が認めたガッツマン

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。