「この人を見ていたいという顔になれれば」 東出昌大が語った狩猟への複雑な思い
「幸せです」
映画では、猟の対象となりながらも食肉処理・加工施設や供給ルートの未確立などにより、肉として流通させられず、埋設処理などがなされる“害獣駆除”の実態も紹介される。
「ハンターの高齢化で今や9割の個体がただ捨てられるというのが現状です。捨てられてしまうだけの命は寂しいですが、かといって、ゲーム感覚でバンバン撃っていっぱい殺したいというだけの人が増えるのも怖い」
と、表情を曇らせるが、
「この数年で仕事がガーンと減り、全てをなくした気がしていましたけれど、仕事がなくなっても生きていかなくてはいけません。自分を木の幹とすれば仕事は枝。枝がなくなっても幹は生きていかなくては……。狩猟は今、幹をなす一部です。今後もこうやって生きていこうと思っています」
心境を尋ねると「幸せです」。山に分け入り、物言わぬ鳥獣たちと向き合ううち、自らの「別の顔」を見いだしたのだろうか。