「投げ込みが始まったら目立つのはFUJI……」藤浪晋太郎が加入しても、不安いっぱいのメッツリリーフ陣
凄腕代理人、ボラス氏の活躍
「藤浪の代理人であるスコット・ボラス氏(71)が、メッツと交渉しているとの情報は昨年末から出ていたんです。でも、藤浪の交渉とは思いませんでした」(米国人ライター)
藤浪の所属先が決まるまで長く時間が掛かった。第一報が飛び込んできたのは、日本時間の2月3日。NPBのスケジュールで言えば、すでに春季キャンプは始まっていた。藤浪は焦りを感じていたはずだ。しかし、
「23年オフの米フリーエージェント市場は全体的に動きが遅く、いまだ所属先が決まらない大物選手もいます。その契約の遅延の一因がボラス氏にあったんです」(前出・現地記者/2月15日時点)
昨季、通算2度目のサイ・ヤング賞に選ばれたブレイク・スネル(31=前パドレス)、左腕のジョーダン・モンゴメリー(31=前レンジャーズ)、ゴールデングラブ賞4回のマット・チャップマン(30=前ブルージェイズ)、カブスの主軸バッターだったコディ・ベリンジャー(28)は、未だ“フリー”のまま。米FA市場は大物から先に所属先が決まっていく傾向にある。実は、スネルら4人の代理人はボラス氏なのだ。
「大谷翔平(29)と入れ替えでドジャースを退団することになったDHのJ.D.マルティネス(36)の代理人もボラス氏です。マルティネスは昨季、33本塁打、103打点を記録しています。メッツはDHがウィークポイントだったので、藤浪ではなく、マルティネスとの交渉をしているのだと思っていたんですが」(前出・米国人ライター)
ボラス氏の交渉は、選手に少しでも有利な条件を引き出すための「スロー調整」であって、決してカネ目当てで交渉を引き伸ばしているのではないという。一昨年オフ、レッドソックスと吉田正尚(30)のように「ベスト」と判断すれば即決もする。また、昨年12月のウインターミーティングが開催される前に前田健太(35)がタイガースと契約したが、代理人をボラス氏に代えている。
「ボラス氏の交渉力が認められているからでしょう。藤浪は剛球で無双のピッチングをする日もあれば、四球で自滅する日も少なくありません。安定感に欠けるというのが首脳陣のホンネであって、ボラス氏でなければメジャー契約がまとまらなかったとの見方があります。同時にボラス氏は複数年契約を求めたものの、それだけは敏腕代理人でもできなかったと言われています」(前出・同)