【冬ドラマ】「世帯視聴率」「個人視聴率」トップ10を比較すると…“爆死扱い”のドラマが浮上する背景

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視聴率の時代は永遠に終わらない

「新空港占拠」はT層が常に断トツ。この日は4.1%。画面に迫力があり、テンポも速く、まるでゲームのような感覚で観られるのがいいのだろう。

「さよならマエストロ」は完成度の高いドラマだが、コアではトップに立てなかった。T層が1.5%、F1層が2.1%と平凡だからである。家庭への思いがまだ薄い10代や若い女性にはホームドラマはウケにくい。

「厨房のありす」はT層が2.7%、F1層が3.1%と堅調。心温まる方向に徹した作風が良い。門脇麦(31)が演じる主人公のキャラクターに観る側がなじんできたので、まだ伸びる余地があると見る。

 民放ビジネスの構造上、視聴率の時代は永遠に終わらない。CMの値段は視聴率で決まるのだから。民放のある国は例外なくそう。TVerなど無料動画も浸透してきたが、その売上高は各社ともCMの30~50分の1に過ぎないのである。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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