ソフトバンク・山川穂高は「やっぱり凄いですよ…」 敵情視察したライバル球団の「007」は“困惑の色”を隠せなかった

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自然発生的に起きたファンからの大拍手

 早くも悩むライバルをよそに、小久保監督はキャンプ初日に「新打順」の構想について聞かれ「相手が一番嫌がる打順にしないといけないですね。これから考えます」。
思いを巡らす中でも、山川の順調な“滑り出し”は、チームにとっても何よりの朗報だろう。

 もちろん山川自身が招いた不祥事は、子供のファンに説明がつきづらく、さらには女性ファンの感情面、裏切られた感が否めないであろう西武ファンの思いなども考えると、決してグラウンドで好結果を出したからといって、すべてが水に流れるわけでもない。

 それでも、キャンプ3日目にして自然発生的に巻き起こったファンからの大拍手は、山川というプロ野球選手の凄さを間近にしたその“率直な反応”であり、それこそ、山川の実力を改めて見直したファンも多かっただろう。

「すごく嬉しく思います。引き続いて、応援してもらえるように頑張ります。より丁寧に一日一日を過ごすことが大事ですし、それしかできないんで、また明日頑張る。結局、それしかないんですし、毎年それを感じています。それが最高の調整になるんです」

 復活を期する2024年。
 
 山川穂高は、とにかくひたむきにバットを振り続ける。それこそが、バットマンのやるべき“再スタートへの誓い”でもあるのだ。

喜瀬雅則(きせ・まさのり)
1967年、神戸市生まれ。スポーツライター。関西学院大卒。サンケイスポーツ~産経新聞で野球担当として阪神、近鉄、オリックス、中日、ソフトバンク、アマ野球の各担当を歴任。産経夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。産経新聞社退社後の2017年8月からは、業務委託契約を結ぶ西日本新聞社を中心にプロ野球界の取材を続けている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)、「不登校からメジャーへ」(光文社新書)、「ホークス3軍はなぜ成功したのか」(光文社新書)、「稼ぐ!プロ野球」(PHPビジネス新書)、「オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年」(光文社新書)、「阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?」(光文社新書)

デイリー新潮編集部

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