「タイガー・ウッズ=売れる」ではない? 新ブランド立ち上げも米国ファンの意外な反応

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「誇りを持って育てていくブランド」

 ウッズとテーラーメイドによって新ブランド「Sun Day Red」が発表されるやいなや、米国のみならず世界中のメディアが一斉に報じた。この新ブランド発表は間違いなくビッグニュースだった。テーラーメイドのエイブルスCEOが「新たなブランドの日の出だ」と語ると、ウッズも少々興奮気味に、こんな言葉を続けた。

「僕の人生における適切な時期に、このブランドをスタートさせることができた。僕はもう子どもではない。誇りを持って育てていくブランドが欲しいと思っていた」

 ウッズが着ていたナイキのシャツには、あくまでナイキのロゴマークが付されていたが、「Sun Day Red」はウッズに特化したオリジナル・ブランドで、走る虎のロゴが特徴である。そんな「自分ブランド」を持つことができ、それを育てていくことに、ウッズは大きな喜びを感じている様子だった。

 エイブルスCEOは「これは(ウッズとの)単なる契約ではない。私たちはパートナーだ」というフレーズを何度も口にしており、渾身の力を込めてこのブランドを立ち上げたウッズとテーラーメイドの熱い意気込みがひしひしと伝わってきた。

メディアは懐疑的

 しかしながら、米メディアの反応は少々懐疑的だ。

 というのも、歴史を振り返れば、かつてナイキはアパレル契約を結んでいたウッズとの関係を拡大し、ゴルフ用具部門にまで手を広げた。だが、一般ゴルファーにとって「ウッズが使っているクラブ」は絶対的な「印籠」とはならなかったようで、結局、ナイキはゴルフ用具部門から撤退。ウッズとの関係もアパレル&アクセサリーのみの契約に縮小されたという経緯があった。

 そんな前例をすでに目にしてきたからだろう。米メディアはあのときのナイキと同じように、テーラーメイドの「Sun Day Red」も「ウッズのウエア」「ウッズのブランド」というだけで成功するとは限らないのではないかと厳しい視線を向けている様子なのだ。

 だが、エイブルスCEOは「今のタイガーのゴルフは以前とは異なる。今のタイガーのライフ(人生)も以前とは異なる。タイガーは依然として大きな影響力を持つ」と語り、「ウッズ効果」を信じていることを窺わせるとともに、こんな想いを明かした。

「テーラーメイドがタイガーと用具契約を結んだ2016年は夢の始まりだった。そして次なる夢の始まりは、2021年の(全英オープンの際)セント・アンドリュースでタイガーとの関係拡大に合意が得られたときだった」

 ウッズの「レッド神話」は彼の母親から始まり、テーラーメイドの「夢のビジネス」はウッズとともに始まったのである。

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