ネットでは50万円超え! 大谷翔平の開幕戦を転売屋から買うとどうなる? 「詐欺に遭う可能性も」
JTBのチケットは?
さて、もう一つの正規の販売方法は日本人向けのもの。大手旅行代理店「JTB」が企画する韓国への観戦ツアーとセットでチケットを購入すればいい。
この商品は2月14日に抽選販売が開始されたが、チケットの大部分は当初からクーパンプレイが押さえている模様で、JTBが確保できる枚数は少ないとみられる。となれば、こちらも転売市場で高額なプラチナチケットと化すのか。
ヴィクトワール法律事務所で代表弁護士を務める加藤隆太郎氏によれば、
「令和元年より施行されたチケット不正転売禁止法は、転売を行う販売者側を罰する立て付けになっています。ただし、今回のように開催地が海外の場合は適用外になってしまう。つまり、JTBが販売するチケットを転売すること自体は罪に問われません。結果、もしかすると転売屋が横行するかもしれませんが、そのチケットを購入したからといって観戦までたどり着けるかどうかは別問題。正規以外の方法での購入には、リスクが伴うことを理解しなくてはいけません」
ITジャーナリストの三上洋氏の見解はこうだ。
「JTBが販売するチケットの転売は非常に難しくなるのではないか。観戦ツアーとセットで販売されるということは、購入時や渡航時などのさまざまなタイミングでパスポートを提示しなくてはいけなくなるからです。自ずと身元確認が厳格になるでしょう。その上、販売枚数が少ないようなので、JTBの監視も行き届きやすくなると思います」
詐欺被害に遭う可能性も
今後、詐欺被害に遭う可能性についても注意を払う必要があるという。
「韓国人向けに販売されたチケットには、すでに高額の転売価格が付けられています。であれば、詐欺師が現れるのは必然の流れ。この先、JTBのチケットに関しても詐欺被害が出てこないとは限りません。転売サイトにも注意は必要ですが、何よりもまずはX(旧Twitter)などのSNSを通じた購入は控えたほうがいいと思います」(同)
近年、人気の催事に際してSNS上でのチケット詐欺が急増しているそうで、
「チケットの写真を公開している相手のプリペイドカードなどに入金を済ませると、その直後、アカウントを消して逃げられてしまうという単純な手法です。チケット不正転売禁止法の施行以降、SNSを通じてチケットを裏で売買するケースが増えていったのと同時に、詐欺も横行するようになったのです」(同)
プロスポーツ史上最高となる総額1000億円超の契約を結んだばかりの日本人選手の大リーグ開幕戦が、すぐ側の隣国で開催される――。野球ファンは今からお祭り気分だが、そんな時こそ冷静な視点も必要だとはいえまいか。
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