卓球女子代表、張本美和の選出に批判が起こらなかったワケ 「事前に流れができていた」

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 どちらを選んでも批判される――パリ五輪卓球女子代表の最終3枠目の選考はそんなふうにいわれていた。

 シングルスにも出場できる2枠は選考ポイント1位の早田ひな(23)と2位の平野美宇(23)が獲得済み。残る団体出場専用の1枠は、ポイントで決めるのでなく、ダブルスの相性などを考慮して日本卓球協会が決めることになっている。

 候補は、伊藤美誠(23)と張本美和(15)に絞られた。伊藤は選考ポイント3位で、東京五輪混合ダブルス金メダルの実績もある。一方の張本は、新星ゆえポイントはたまっていないものの、1月の全日本選手権で早田に次ぐ準優勝。つまり、伊藤の“過去の実績”を取るか、張本の“現在の実力と将来性”を取るかの選択となっていた。

張本を選ぶ雰囲気が醸成されていた?

 スポーツ紙記者が語る。

「ポイントの3番手を選ぶのが無難で、これまでもその傾向がありました。客観的な判断ということで、批判されにくいですから」

 だが、協会が選んだのはポイント下位の張本だった。

 また、意外にもさほど批判は沸き起こらなかった。徐々に張本を選ぶ雰囲気が醸成されていたからだ。

「1月27日深夜の日本テレビ系スポーツ番組で、協会専務理事が3人目に張本を推したのです。理事は『テレビ局が発言を切り取って放送した』と釈明しましたが、いずれにせよ流れができたことは確かです。張本が所属する木下グループも『発表当日に張本が記者会見を行う』と3日前に告知。落選した15歳をカメラの前にさらすわけがない、と流れは加速しました」

 かくして、“過去”より“将来”を選んだ協会の判断は、すんなりと世間に受け入れられたのだった。

週刊新潮 2024年2月15日号掲載

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