「あの日2人のデザイナーが偶然通りかからなければ…」 横尾忠則が語るデビューのきっかけと「受け入れる」生き方
何度か運命について語ってきましたが、今回は僕の一生を決定的にしたある2つの出来事について話そうかなと思っています。つまり、僕の運命を翻弄した話です。
前にも書きましたが、高卒と同時に地元の郵便局に勤めて郵便配達夫になることを夢見ていたのです。ところが校長先生や担任の先生から「郵便屋などになるな! 美大へ行け」と無理矢理に受験を薦められ、いよいよ明日が受験日だという前夜、美術の先生が、「やっぱり受験は止めて、郷里に帰れ!」とびっくりするような話の展開になって、「何んで?」とも聞かないまま受験もせず、郷里に戻ってしまいました。...