「不適切にもほどがある!」 クドカンが描く86年当時はどんなきわどい番組が放送されていたか ベテランテレビマンが回想

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国会で問題に

「不適切~」では“チョメチョメ”が多用されている。

「阿部がしょっちゅう『チョメチョメしちゃう!』と叫んでいますし、娘が出演した深夜番組も『早く寝ないとチョメチョメしちゃうぞ』でした。チョメチョメというのは、もともと山城新伍 がクイズ番組『アイ・アイゲーム』(フジテレビ)の中で、解答となる伏せ字を言葉にする時に編み出したもので、流行語にもなりました」

 当時TBSのアナウンサーだった久米宏が「ぴったし カン・カン」で使った“ほにゃらら”というのも流行語になった。

「おそらく『早く寝ないとチョメチョメしちゃうぞ』のモデルは『オールナイトフジ』(フジ)でしょうね。83年にスタートした深夜番組で、当初の司会は秋本奈緒美と鳥越マリで、これに片岡鶴太郎やデビュー間もないとんねるずが絡みました」

 とんねるずがデビュー曲「一気!」を歌っている際、石橋貴明 がカメラを横倒しにして破壊したシーンは伝説となっている。松本明子が放送禁止用語を絶叫した事件もあった。

「これが大ブームとなり、他局も負けじと深夜番組をスタート。当時は番組内にバニーガールが跋扈していましたし、ポロリだって当たり前。中でも日テレの『TV海賊チャンネル』は、“ティッシュタイム”など過激さをウリにしていました。ところが、過激すぎて国会でもやり玉に挙げられ、86年に番組は終了。『オールナイトフジ』も85年にバラエティに特化した『オールナイトフジII』となりました」

 コンプラにうるさくなかった昭和でも、打ち切られた番組はあったのだ。

最も不適切なのは?

「『チョメチョメしちゃうぞ』で白衣に聴診器という医師スタイルの司会者ズッキー(秋山竜次=45)は番組ではセクハラキャラでしたが、いざケガ人が出るとカメラを止めさせ適切な処置に努めた紳士であったことがSNSでも賞賛されていました。あのモデルは孤高の医事漫談家・ケーシー高峰かもしれません。彼は代々医師の家庭に生まれ、医学部に入学したもののお笑いの道に入った人でした」

 また「不適切~」自体、モチーフとしているドラマがあるという。

「TBSのドラマでありながら、モデルとなっている番組が他局ばかりでしたが、ドラマ自体はTBSの『毎度おさわがせします』が大きなモチーフとなっていると見ています。85年にスタートし、初回のサブタイトルが『こんにちはポコチン』でした。木村一八 や中山美穂 らが出演し、ドラマではほとんど取り上げられなかった思春期の悩みをコミカルに描きました。中山の父親役だった板東英二が『不適切~』での阿部というところでしょう」

 ことほどさように昭和へのオマージュが詰まった「不適切~」だが、

「最も“不適切”と言っていいのは、阿部サダヲという芸名でしょう。いまの若い人は阿部定事件など知らないでしょうが、彼がテレビに出始めた頃、とんでもない芸名にびっくりしたものです」

 ご存知ない方は、大島渚監督の映画「愛のコリーダ」をご覧ください。

デイリー新潮編集部

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