「舟を編む」がNHKで連ドラに 描かれた“辞書編纂”の知られざる現場を三省堂・辞書出版部に聞いた

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 2024年2月18日から、NHK BSとNHK BSプレミアム4Kで連続ドラマ「舟を編む ~ 私、辞書つくります~」がスタートする。元になった三浦しをんの同名小説(光文社)が連載を開始したのは2009年。11年に単行本が出版され、13年には映画に、16年にはアニメにもなった。連ドラは今回が初だ。

 いずれのバージョンも物語の軸となるのは「辞書の編纂」。この作品をきっかけとして、辞書と言葉に興味を抱いたファンも多いだろう。映画・アニメに続いて、今回のドラマでも辞書制作にかかわる諸々の監修や資料提供を行っているのは、辞書・事典の老舗出版社「三省堂」だ。実際の制作作業や「言葉」との向き合い方について、同社辞書出版部の部長・山本康一さんと部員・奥川健太郎さんに話を聞いた。

改訂版を出版するタイミング

――現在の辞書出版部には何人いるのですか?

山本:国語辞書と外国語辞書に分かれていて、今は合わせて10人ほどです。近年はやはり紙の辞書の売り上げが下がっていますので、以前と比べると人数は相当減りました。基本的には辞書1種類を1人で担当し、『三省堂国語辞典』の場合は奥川です。外部校正者や編集協力者を含めると相当な人数になりますが、社内で担当するのはそれぞれ1人が多いですね。

――一般的に辞書は、改訂版が数年に一度出版されます。そのタイミングはどのようにして決まるのですか?

山本:たとえば国語辞典ですと、規模と対象者によって変わります。小学生向けの『例解小学国語辞典』と中学生向けの『例解新国語辞典』は、教科書の改訂サイクルと合わせて改訂しますので、4~5年に1回ですね。高校生向けの『現代新国語辞典』も教科書と合わせるようにしているので、同じようなサイクルです。

 一般向けでもある『新明解国語辞典』と『三省堂国語辞典』は6~8年、中型国語辞典の『大辞林』クラスですと10年以上。弊社の辞書出版部では改訂版を出す国語辞典が毎年何かしらあり、並行して企画ものの単行本も出しています。

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