二階元幹事長、書籍代3500万円のカラクリ 自分の「ヨイショ本」を「お土産」にするサービス精神
読むためでなく、配るために本を買った──事務所が説明しても、国民の怒りは収まらないようだ。自民党の二階俊博・元幹事長が“カネ”を巡る問題で強い批判にさらされている。例えば政策活動費の問題だ。
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自民党など複数の政党は、国会議員に政策活動費を渡している。だが、その使い道を明らかにする必要はない。
以前から「政策活動費には問題が多い」という報道は行われていた。例えば、朝日新聞DIGITALは2022年11月、「使途公表不要の政策活動費、20年で456億円 二階氏には50億円」との記事を配信した。
同紙の調べによると、2021年までの20年間で、主要政党の政策活動費は約456億円。最多は自民党の約379億円で、議員個人としては二階氏に最多の約50億円が支払われていたという。
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件が発生したことで、政策活動費の問題が再浮上。産経新聞(電子版)は2月11日、「岸田首相、予算委前半戦は『ゼロ回答』連発 政策活動費や企業・団体献金の廃止には慎重」との記事を配信し、野党は二階氏の不透明な政治資金を追求する方針だと伝えた。
《使途が公開されていない政策活動費に関しては、野党は5年間で約50億円を受け取った自民の二階俊博元幹事長に狙いを定めている。使い残しがあれば「脱税」に当たるとして、二階氏に使途を確認するよう求めたが、首相は「確認するまでもなく適切に使用されている」と拒否した》
図書館を超える巨額費用
さらにSNSを中心に、二階氏が代表を務める政治団体が3年間で約3500万円の書籍代を支出していたことも注目を集め、立憲民主党の藤岡隆雄衆院議員が8日の衆院予算委員会で取り上げる事態に発展した。
産経新聞(電子版)は9日、「自民・二階俊博氏、3年間で書籍代3500万円の不思議『家1軒分』『読書家ぶりに驚き』」との記事を配信した。この中から、国会での論戦を伝えた部分をご紹介しよう。
《藤岡氏は二階氏の書籍代について、林芳正官房長官に対し「家一軒建つくらいの書籍代が支出された。いったい何万冊が購入されたのか」と説明を求めたが、林氏は「個々の政治団体の収支報告書の内容について確認を求める立場にない」と応じなかった》
何しろ1冊2000円としても、1万7500冊が買える計算になる。日本図書館協会の公式サイトによると、2021年度における、公立図書館の図書資料などの購入費は平均1館あたり年823万円。二階氏がの計上した書籍代は年1年あたり約1160万円 となるのでなので、余裕で1館の購入年間年資料購入費予算をまかなうことができる。
SNSやテレビでは呆れる声が相次いだ。日本文学研究者のロバート・キャンベル氏は10日、Xに「私が気になるのはやっぱり収納」、「地域図書館が使う閉架書架の計算では約70平方メートルが必要だ」など投稿。実際に書籍を購入したのか疑問視した。
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