“言い間違い”連発の「バイデン米大統領」に再燃する「高齢不安」 専門家が指摘する「軽視できない症状」とは

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 今年11月に行われるアメリカ大統領選で、民主党候補指名が確実視されているバイデン大統領(81)への「不安」の声が高まっている。2月に入って以降、公の場での“失言”が相次ぎ、民主党内からも「大統領を務めるには高齢過ぎるのでは」との声が上がり始めているという。果たして、専門家の目にバイデン氏はどう映っているのか。

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 すでに史上最高齢の米大統領であるバイデン氏が、仮に再選して2期目を務めた場合、任期満了時には86歳になる。米ABCテレビの最新の世論調査では「高齢過ぎてバイデン氏は2期目を務められない」との回答が86%に達し、米国内に動揺が広がっているという。

「共和党の指名候補争いで独走するトランプ前大統領も77歳と高齢のため、本選で両者の一騎打ちとなる“老人対決”の事態を避け、世代交代を求める声はいまも根強い。なかでも最近、バイデン氏の“高齢不安”を加速させる報道が増え、陣営側は否定に躍起となっています」(全国紙外信部記者)

 バイデン氏は2月4日の演説でフランスのマクロン大統領を96年に死去したミッテラン元大統領と言い間違えたのに続き、7日にはドイツのメルケル前首相とコール元首相を混同。さらに8日の記者会見で「私の記憶力は大丈夫だ」と大見得を切った直後の記者とのやり取りで、エジプトのシーシ大統領を「メキシコの大統領」と発言し、逆に国民の疑念を深める結果になった。

「同じ8日には、バイデン氏の自宅から副大統領時代の機密文書が見つかった問題を捜査しているロバート・ハー特別検察官の報告書が発表されました。そのなかでハー氏は、バイデン氏を『高齢で記憶力が乏しい』と表現し、仮に訴追しても『陪審員が記憶力の低下した老人』と見なす可能性があることから『刑事訴追はしない』との結論に至ったと述べています」(同)

軽度認知障害の可能性

 他にも報告書内には、バイデン氏が「聴取の際に長男が亡くなった年(2015年)を思い出せなかった」などの記載もあり、不安を補強する“材料”には事欠かない状況だ。実際のところ、そんなバイデン氏を専門家はどう診るのか。

『認知症は予防できる』などの著書がある、医師で作家の米山公啓氏がこう話す。

「医師の立場から見ると、バイデン氏が記憶障害を患っている可能性は高いと考えます。81歳という年齢であっても記憶力が正常な人もいるなか、最近のバイデン氏の言い間違えの頻度は障害を疑うに足り得るといえます。ただ報道を見るかぎり、日常生活には問題がないと考えられ、いわゆる軽度認知障害(MCI)が疑われるレベルです」

 MCIとは認知症の前段階にあたり、記憶障害などが認められる反面、認知機能は保たれているため日常生活に支障をきたすことはないという。またMCIになれば、必ず認知症へと移行するわけではないものの「MCI患者の10~30%が最長10年以内に認知症を発症」するとのデータがあるという。

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