「二名の上級生は孤立、自主退団が待たれる状況」 宝塚問題、劇団員によるパワハラを巡り進展が

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「口だけ立派」

 以降も遺族側は交渉を重ね、今年に入ってからも劇団の動きが相次いだ。さる劇団関係者によれば、

「1月17日、宙組の生徒を対象に大劇場の教室で“リスペクト・トレーニング”が開催されたのです。これはハラスメント対策として企業研修でよく行われるセミナーだとか。相手を思いやるための言葉遣いについて期ごとに話し合い、最終的には三つに分けられたそれぞれの班の中での意見をシェアしたようです」

 これが開催されたということは、劇団はすでに内部ではパワハラやいじめを認めたのだろうか。いずれにせよ、下級生らには不評だったそうで、

「というのも、いじめを主導していたとされる上級生たちが過去の自分たちの悪行について謝罪もせず、口だけ立派なことを言っていたからです。そんな二人を他の生徒らは“リスペクト・トレーニングの前にやるべきことがあるはず”と冷めた目で眺めていたとか」(同)

「自主退団が待たれている状況」

 また、1月の下旬には西宮労働基準監督署が宙組の生徒らに個別の聞き取り調査を行ったという。

「労基の職員は入念な事前調査を踏まえた上で“契約書の説明をされたことがあるか”などと具体的な質問をいくつもしたようです。生徒が正直に答えると、あまりの内情のひどさにあきれた顔をされたと聞きました。劇団は事件後、一応は過重労働について改めていく方針を表明しましたが、実際にどこまでできるのかは疑問視されています」(同)

 直近まで劇団は活動休止が続く宙組を再建すべく、2月ごろに「ワークショップ」なる身内のコンサートを予定していた。“歌で心をつなぐ”というテーマだったが、これに関しても1月24日に突然中止が決定。相変わらず対応が後手に回っているのではないか。

「今、これまで以上にいじめを主導していたとされる上級生二名は宙組で孤立しており、自主退団が待たれている状況です」(同)

 世間体を気にして生半可な謝罪を行うだけでは、長年にわたって組織に染み付いた劣悪な労働環境とパワハラ体質は変わることがないだろう。

週刊新潮 2024年2月15日号掲載

ワイド特集「それはないよ」より

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