【騒動】尹大統領夫人に30万円「ディオール」バッグを受け取らせた牧師の正体 “授受現場”を隠し撮りしたネットメディアと産経新聞の因縁

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初動の失敗

 辺氏が重視するのは、初動のまずさだ。大統領サイドは問題の多い報道だと態度を硬化させるばかりで、尹大統領が妻を過度に守っているような印象を与えてしまった。

 結局は世論の高まりに強硬戦術を変更せざるを得なくなり、尹大統領は2月7日の番組で尹大統領は妻の行動に問題があったと認めざるを得なくなった。最初から「確かに受け取りましたが、この報道には問題があります」と冷静に反論していれば、今のような展開にはなっていなかった可能性がある。

「日本の法律では贈収賄に問うのは難しいでしょうし、韓国でも贈賄禁止法に抵触するかどうか、法曹家でも見解は分かれています。正直に言って、『ソウルの声』が大統領夫妻を“陥れようとした”のは間違いないでしょう。とはいえ、初期対応に問題があったのも事実だと思います。少なからぬ韓国国民が『金さんは嘘をつく人なのかもしれない』と疑うようになってしまった。そのため明るみになった過去の疑惑も『やっぱり、あれも事実なのではないか?』という印象を与えてしまっています。結果として金さんのイメージが急速に悪化し、それが尹大統領の支持率にも影響を与えたのです」(同・辺氏)

4月には総選挙

 韓国では大統領だった全斗煥(チョン・ドゥファン)氏の妻・李順子(イ・スンジャ)氏が不正蓄財の管理を担当していたことが明るみになっている。また、同じく大統領だった盧泰愚(ノ・テウ)氏の不正蓄財問題では、金・玉淑(キム・オクスク)氏の名義で資金が銀行に振り込まれていた。

 このように韓国では「ファーストレディーのスキャンダル」が記憶に新しく、韓国の有権者は大統領夫人にも厳しい目を向ける傾向がある。まさに金氏は、その渦中にいるというわけだ。

 韓国は4月10日に総選挙が行われる予定だ。金氏のイメージ悪化が、与党の得票にも悪影響を与えるのではないか──そう予測する、韓国の政界関係者も少なくないという。

註:尹大統領「政治工作」「はっきり断れなかったことは残念」 金建希夫人ブランド品受領疑惑(朝鮮日報:日本語電子版・2月8日)

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